安倍首相の『戦後70年談話』が発表された。

安倍政権にとっては、試練であったと言えよう。

11日の川内原発再稼働、
14日の戦後70年談話、
17日の4-6月期GDP速報が、その試練だ。


最大の懸念ともいわれていた戦後70年談話は、うまく乗り切ったように思える。
FireBlueは、この談話に関しては「必要ない(怒)」と明言していた。

なぜ「必要ない(怒)」のかと言えば、中国や韓国のご機嫌取りをする必要など無いからだ。


共同通信社が14、15両日に実施した全国電話世論調査によると、

戦後70年談話について、
「評価する」は44.2%、
「評価しない」は37.0%だった。

内閣支持率は43.2%で、前回7月の37.7%から5.5ポイント上昇した。

4-6月期GDP速報は「よくない」といわれているが、

政権運営としての善後策はあると思う。

GDP統計がよくない一番の原因は、1年前の「消費増税」の影響が長引いているためである。

それを解消するためには、まずは外為特会(←財務省利権)の“20兆円”を増税の悪影響解消に使えばいいだけのことだ。

景気対策として、減税・給付金中心の政策にすればいい。


安倍首相の『戦後70年談話』は、文字数は3400字と、歴代首相の中でも最長だ。
その全文については、当ブログの前記事に載せているので、参照してほしい。

http://m.ameba.jp/m/blogArticle.do?articleId=12062664260&unm=fireblue&guid=ON


この談話は、外国語訳もされている。

中学・高校の歴史の授業で習った、日本が第二次世界大戦に突入していく経緯を復習するいい機会だと思う。

西洋列強の植民地支配がアジアに及んで、それへの対抗で日本は道を間違ったということだ。

この70年談話では、
「西欧列強も悪いことをした」、
「日本も悪かった」、
そして「今の中国も悪いことをしている」
というごく普通の歴史が書かれている。

FireBlueからすれば、この談話に「韓国は日本固有の領土である竹島を不法占拠し、仏像を盗み、『従軍慰安婦』という嘘を世界中にばら蒔いて日本を貶めて、金をせびっている」という事実を入れたい。



この談話を起草した人は、国際政治・関係論の素養があるのだろう。


①きちんとした同盟関係をむすぶことで40%、

②相対的な軍事力が一定割合(標準偏差分、以下同じ)増すことで36%、

③民主主義の程度が一定割合増すことで33%、

④経済的依存関係が一定割合増加することで43%、

⑤国際的組織加入が一定割合増加することで24%、

それぞれ戦争のリスクを減少させるというデータがある。

これは、
①同盟関係、
②相対的な軍事力を中心に説明する“リアリズム”と
③民主主義、
④経済的依存関係、
⑤国際的組織加入で説明する“リベラリズム”

がともに正しいことをも示している。

後者の3点は、哲学者カントにちなんで、『カントの三角形』ともいわれている。


今回の戦後70年談話は、
『カントの三角形』にほぼ従った歴史の説明になっている。

そういう意味では、国際政治・関係論の裏付けがあり、国際社会で理解されやすくなっていると思う。

この点を考えると、
国内左派が依存する『憲法論議』は世界では全く通じない《お花畑》であることは明白だ。


そして、談話には

「人々は『平和』を強く願い、『国際連盟』を創設し、不戦条約を生み出しました。
戦争自体を違法化する、新たな国際社会の潮流が生まれました。
当初は、日本も足並みを揃えました。
しかし、世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。
その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。
国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。こうして、日本は、世界の大勢を見失っていきました。
満州事変、そして国際連盟からの脱退。
日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした《新しい国際秩序》への“挑戦者”となっていった。
進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました」

と書かれているが、

政治が軍部の独走を防げなかったことにより、

③民主主義、経済ブロックで、
④経済的依存関係、国際連盟脱退で、
⑤国際的組織加入、

つまり、『カントの三角形』の3点がいずれも崩れていったと述べている。

さらに、日本が第二次世界大戦に進んでいった過程は、『カントの三角形』という観点でみれば納得だ。



こうした国際政治の常識がバックグランドにあるので、戦後70年談話は世界から受け入れられるだろう。

「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「お詫び」というワードがあるかどうかは、かなり矮小な観点であるが、戦後70年談話では、その点にも配慮がされている(←FireBlueからすれば、中国や韓国にガタガタ言われる筋合いはない!!)。

そうした矮小な観点から見る人たちは、ワードが入っているかどうかだけを気にするので、逆にいえば、ワードを入れたら本格的な批判ができなくなるということだ。

事実、中国も韓国もまともに、戦後70年談話を批判できていない(というより、中国や韓国に日本を批判する資格は無い!!)。

要するに、安倍首相が言いたいことは、
「第二次世界大戦を忘れてはいけないが、謝罪しつづけることもない」
ということだ。

ここはしっかり書き込まれている。

当事者の子供や子孫は、事実を忘れてはいけないが、当事者の子孫としての責任を引き継ぐのではないだろう。

責任問題は講和条約などで既に清算済みである。

以上の意味で、戦後70年談話はよく書かれており、政治的に「無難」である。

ただ、残念なのは、冒頭の世論調査で、安保関連法案の今国会成立について、
反対62.4%、賛成29.2%となっていることだ。

これはバカな左翼主義に毒されたマスコミどもが主導して政権批判を繰り返した結果だ。

おまけに、国民の多くは、『安保関連法案』の本質が理解できていない。

『安保関連法案』について、その本質をいえば、

①同盟関係の強化により戦争リスクを最大40%減らし、
②自前防衛より防衛費が75%減り、

③個別的自衛権の行使より抑制的(戦後の西ドイツの例)になるという点だ(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44375)


『安保関連法案』と『戦後70年談話』の両方をみると、

『安保関連法案』は、
①同盟関係、
②相対的な軍事力に対応し、

『戦後70年談話』は
③民主主義、
④経済的依存関係、
⑤国際的組織加入
の『カントの三角形』に対応していることがわかる。

こうしてみると、安倍政権はきわめてまっとうかつ世界で通用する安全保障政策によって平和を追求している。

それにもかかわらず、『安保関連法案』に国民の理解が進んでいないのは、あまりにも左翼主義に毒されたマスコミ、バカ教師どもが政権批判した結果だ。

だから、SEALDsのような新左翼バカどもが出現し、それに感化されたバカ高校生どもがデモを行うのだ。

その左翼バカどもの最たるものが、恥知らずの元首相ども5人が11日、『安保関連法案』に反対を表明したことだ。

元首相とは、細川、羽田、村山、鳩山、菅各氏である。

この面々は、これまでの歴史で決して名宰相とはいえない無能を絵に描いたようなバカどもだ。


細川政権は7%の消費増税もどきの国民福祉税をいいだし、失速。

羽田政権はあまりの無能さを発揮して戦後最短の内閣だった。

村山政権は、阪神淡路大震災でまったく機能せず、5%への消費増税を内容とする税制改革法案を決定、中国や韓国へのご機嫌取りに徹して、日本国民が納めた税金を韓国に食い潰される失態をした。

鳩山政権は、在日米軍の抑止力を理解できずに辺野古移転で迷走し、中国にすり寄ってご機嫌取りばかりだった。しかも、勝手に中国や韓国を訪れては謝罪するという宇宙人ぶりを発揮。その行動は日本を貶めているに過ぎない(←コイツは日本から追放しろ!!)。

菅政権は、福島第一原発事故で初動を間違い、急に消費増税を言い出した。

ここまで言えば、勘のいい人ならば、『安保関連法案』についてはこうした“逆神”が反対するのであるから、賛成してもいい、となるのではないか。

はっきり言っておくが、
世界の常識は『安保関連法案』に「賛成」である。

様々なデータから、
「『安保関連法案』によって戦争リスクを減らせる」ことが明らかだからだ。

『戦後70年談話』とあわせてみれば、戦争リスクを減らすのには、ベストな組み合わせなのだ。


日本国民よ、いい加減に気づけよ。