先日、愛犬アイ(ポメラニアン ♂14歳11ヶ月で逝去)のフォトパネルが届いた。

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葬儀を依頼したペット葬儀社が送ってくれた。


この写真は生前、庭で遊ばせていた時に撮ったものだ。

色褪せや日光で日焼けしないように特殊な素材で綺麗に加工してくれている。


こうやって見ていると、アイとの日々を思い出す。


劣悪な環境で痩せ細り、生後1ヶ月という今では違法な状況で販売されていたアイ。

それを救い出し、我が家の歴代の愛犬を診てもらっていた動物病院へ連れて行った。

「痩せすぎです。明らかに栄養失調。それに寄生虫もお腹の中にいるようです。」と獣医師。

検査をした結果、犬コクシジウムという寄生虫に感染していた。


犬コクシジウム症(coccidiosis)は、

原虫であるコクシジウム(球虫、coccidia)が腸管に寄生することによって発症する犬、および猫の感染症だ。

主に幼犬に発症し、

下痢、脱水症状、嘔吐、食欲不振などの目立った症状が現れる。

その原因は、

幼犬の場合、母犬の糞便を介して感染する。

成犬は寄生虫の接合子嚢オーシストを糞便中に排出していても免疫力がついているため、無症状であることが多い。

だが、免疫機構が未発達な6ヶ月未満の幼犬に感染しやすく、ストレス(新しい飼い主、運搬、季節変化等)が引き金となって寄生虫が増殖し発症し、

約13日間の潜伏期間を経て、発症する。


最も顕著な症状は、

持続的な水っぽい、粘液まじりの下痢だ(←アイにはこれがあった)。

重症な場合は、

血便、嘔吐、食欲不振、脱水症状が伴う。


治療は、1週間~3週間のサルファ系抗生物質の投与で治癒可能だ。

ただし、抗生物質が原虫を死滅するのではない。

あくまでも原虫の増殖を止め、その間に犬の免疫力がつき撲滅するものだ。


予防は、

犬が妊娠し、出産を予定している場合は子犬への感染を防ぐ目的で検便し、

感染が確認された場合には、隔離して駆虫する。

また糞便が、餌と水に混入しないような清潔な飼育環境を徹底しなければならない。


犬コクシジウムは、ほとんどの消毒剤で死滅しないので注意が必要だ。

予防するには、糞便の焼却、蒸気清浄、煮沸消毒、10%アンモニアを用いることが最も有効な方法だ。


ちなみに、犬猫に寄生するコクシジウムは人間へ感染することはない。



アイには2週間のサルファ系抗生物質の投与が行われ、ついに駆虫に成功した。


家族の一員として迎えたアイは元気いっぱいの明るく利口な子に育ってくれた。


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気難しいところ(←機嫌が悪いと噛む)があったが、
無邪気な性格、愛らしい仕草が大好きだった。

我が家のアイドルだった。


アイ、お前が旅立ってから早くも44日が経った…。

俺はまだ何もやる気が起きない。

ただ惰性的に日常を過ごしている。

ふと気づけば、「アイ…」と話しかけている。

そして、アイがもういないことにハッとして涙が出そうになる。

「夢でもいいから、アイ、お前に会いたい」
そう思うことがある。

だが、それはお前を現世に引き留めてしまうことになる。

「アイを現世に引き留めてしまうことだけはダメだ」と思いとどまる。


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アイ、雲の上でお前の先輩たち(=我が家の歴代の愛犬たち)に会えたかい?

遊んでもらっているかな?

アイ、時間がかかるかもしれないが、お前が安心できるように、また強い俺に戻るからな。

俺は必ず立ち上がる。

雲の上から見守っていてくれ。