新品家電などが驚くほど安い価格で出品されるペニーオークションサイト


熱くなりすぎて、気がつけば多額の手数料を取られていることも多いという。


ここ最近、出品価格が安い代わりに、入札をするたびに手数料がかかるインターネットオークション「ペニーオークション」が広がりをみせている。


新品の家電などが市場の9割引きで買えることもあり、利用者は増加。


だが、落札できなければ入札手数料だけが取られることになる。


まあ、釣りで言えば、「エサだけ取られた~(>_<)」ってなもんだ。


もちろん、エサ代がかかるわけだから、塵も積もれば何とやらだ。


つまり、このペニーオークションの利用には冷静な判断力が必要だということだ。



ペニーオークションのサイトを見ると、新品の商品が破格の値段で出品されていることにまず驚く。


大手ペニーオークションサイトでは、市場価格約6万8千円の「iPad」が401円、市場価格約8万円の富士通のノートパソコンが575円で落札された、とある。


中古品ではなく、いずれも新品だ。

 

どうしてこのような価格で落札できるのか?



ペニーオークションとは、入札のたびに料金が発生する新型のネットオークションの総称だ。


0円など破格の値段で新品の家電などが出品され、入札1件ごとにおよそ1~20円単位で価格が上がっていく。


落札するには、手数料として各サイト内のみで使える“模擬通貨”を購入する必要がある。


入札1回につき、模擬通貨代として約50~80円がかかる。


例えば、0円で出品され、入札1回で1円ずつ価格が上がる「iPad」の例を見てみよう。


入札には3人が参加し、最終的に500円でAさんが落札したとする。

 

入札には1回50円が必要で、Aさんが250回入札したとすると、手数料を含め計1万3千円を支払うことになる。

 

ほかのオークションと大きく違うのは、落札できなかったBさん、Cさんも入札手数料を取られる点だ。


落札額だけを見れば、「iPad」が500円で落札された格好だが、出品者(オークション運営者)側には3人分の入札額を含めた計2万5500円が入る。

ここにオークション運営側が絶対に損をしないというカラクリがあるのだ。



国民生活センターによると、「ペニーオークションに関する相談は今年に入って増加し続けている。」という。


落札していないのに参加費手数料がかかるのはおかしい。」、「なかなか落札できないが、販売方法に問題はないか?」といった相談内容が多いという。

 

日本でペニーオークションが広がったのは、ここ1年ほどだ。


次々と新しいサイトがオープンするものの、「サイトが有名になれば参加者も増える右矢印その結果、“ライバル”が増えて落札が難しくなると、利用者は別の新しいサイトに流れる右矢印利用者が減り、サイトが閉鎖する右矢印せっかく入札のために買った模擬通貨が無駄になる」という悪循環が生まれるのである。


また、「お金を払って入札したからには入札手数料を回収しよう。」と、意地でも落札しようとするケースも多い。


その結果、落札額がはね上がり、多くの参加者が多額の手数料をとられることになる。


国民生活センターは7月、「安く落札できると入札を重ねても、入札手数料が積み重なり、最終的に落札できたとしても、手数料と落札価格を合計するとさほど安くなかったということになる可能性がある。」とホームページで“警告”している。


こういったトラブルに巻き込まれないためには、ペニーオークション・サイトの利用規約をよく読んで理解し、熱くなり過ぎないことだ。