夕方になりましたので、昨日の問題『真夏のミステリー。3(Last)』の正解を発表します。



それではもう一度昨日の問題を見てみましょう。




一人暮らし。




いやあ、いい響きだ。




うるさい親にガミガミ言われることもないし、何と言ったって自由だ。




暇な時にゴロゴロしていようが、風呂上りに素っ裸でいようが怒られないもんね。




俺はこの春から、念願かなって一人暮らしを始めた。




学生向けのマンションってなので家賃も安くて、貧乏大学生の俺にはちょうどいい。




部屋も綺麗だし、小さいながらもちゃんとバスとトイレがついている。




家具とはシンプルにまとめた。




つ~か、俺は男だ。




女の子のように部屋を飾りたてたりはしない。




風呂入って寝ることができればいい。




まあ、あとは洗濯機があればいい。




ただ、それだけで事足りる。




ってなわけで、部屋の中はかなりシンプルだ。




いやあシンプルっていいね~。




何たって掃除が楽。




元々物があんまりないので、掃除がしやすいことしやすいこと。






そうやって、自由を満喫していた…。




かつて、友人を部屋によんでた時に、


お前さあ、シンプルで片付いているのはいいけど、彼女ができたときにあんまりシンプルすぎるとカッコつかないぞ。せめて、インテリアとまではいかなくても、何か一つでも飾っておくとかさあ…。


と言われたことがあった。




それで、何かを買おうと思い、とあるショッピングセンターに来た。

俺の目にとまったのは、有名な画家や写真家の作品をジグソーパズルにした物で、そのパズルピースには夜光塗料が塗られていて、全部組み上げたときに一つの作品となって夜間に淡く光るという代物だった。




これなら暇つぶしがてらにパズルを組めるし、完成したら夜光塗料で淡く光るし、オシャレでいいじゃん。




俺は夜光塗料で光るタイプのジグソーパズルをを購入した。




今では、テレビすらない部屋で暇つぶしがてら、パズルピースを一つ一つ組み上げ完成させるのが楽しみになった。




で、いよいよパズルが完成。




俺はフリマで手に入れた額縁に完成したパズルをセットし、壁に掛けた。




部屋の明かりを消すと、パズルの夜光塗料が淡く光を放ち、幻想的だ。




夜に帰宅すると、パズルが淡く光っており、俺を出迎えてくれているようで癒された。




これ一つで、こんなに部屋の雰囲気が変わるのかあ。今度はもう少し大きなタイプのジグソーパズルを買ってみるか。




俺は夜光塗料で淡く光るパズルを見ながら眠りについた。






この文は一見、何気ない文章のようですが、注意てよく読んでみると不思議なことが分かります。


夜光塗料は「光を浴びて、暗くなると光る」というものです。


そして、ある一定の時間を過ぎると光らなくなります。



普通、外出するときは部屋の明かりを消しますよね。


なのに、「夜に帰宅すると、パズルが淡く光っており」というのは、おかしくないですか?


帰宅した直後は、まだ部屋の明かりを点けていない状態のはずです。


それなのに「夜に帰宅すると、パズルが淡く光っており」というのは、誰かが直前までその部屋にいたということです。


つまり、侵入者がいたということです。


いや、もしかしたら、その部屋の主である男が帰宅したので、部屋の明かりを消して、どこかに潜んでいるかもしれない。


夜に帰宅すると、パズルが淡く光っており…」というのが毎晩のことだとしたら…。


一刻も早く、その部屋から脱出することが第一でしょうね。