これは、金星です。
「明けの明星」もしくは「宵の明星」としても有名です。
欧米ではローマ神話に出てくる美の女神ヴィーナスと呼ばれています。
古代メソポタミアでは、その美しさ(明るさ)故に美の女神イシュタルの名で呼ばれていました。
古代ギリシャではアフロディーテと呼ばれ、世界各国で金星の名前には女性名が当てられています。
日本でも古くから知られ、日本書紀に出てくる天津甕星(あまつみかぼし)、別名香香背男(かがせお)と言う星神は、金星を神格化した神とされています。
平安時代には宵の明星を「夕星(ゆうづつ)」と呼んでいました。
ヨーロッパでは、明けの明星の輝きを美と愛の女神アプロディテにたとえ、そのローマ名ウェヌス(ヴィーナス)が明けの明星すなわち金星を指す名となりました。
キリスト教においては、ラテン語で「光をもたらす者」ひいては明けの明星(金星)を意味する言葉「ルシフェル」(Lucifer) といい、他を圧倒する光と気高さから、唯一神に仕える最も高位の天使の名として与えられました。
それがあの天使長ルシファーであり、神々に逆らったがために地獄に落ち、悪魔の総帥ルシファーとされ、数々の伝説と神話を紡いでいます。
仏教においては、「釈迦は明けの明星が輝くのを見て真理を見つけた。」という伝承があります。
また、弘法大師・空海も「明けの明星が口中に飛び込み悟りを開いた。」とされています。
東洋占星術では、金星は七曜・九曜の1つとして考えられています。
西洋占星術では、金牛宮と天秤宮の支配星で、吉星であり、妻・財産・愛・芸術を示し、恋愛、結婚、アクセサリーに当てはめられています。
ちなみに、金星には二酸化炭素を主成分とし、窒素をわずかに含んだ大気が存在し、大気圧は約90気圧(地球が1気圧)、温室効果により地表の平均温度は400℃を超え、場合によっては500℃にもなります。
金星大気上空にある雲は二酸化硫黄でできており、硫酸の雨が降り注ぎます(その雨は地表に到達する前に蒸発)。
つまり、SF小説や映画で描かれているように人間が移住するなんてことは不可能です。
