報道によれば、3月24日、米上院商業科学運輸委員会は、米国の通信システムを含む重要なインフラをサイバー攻撃から守るため、官民間の連携を強化することを目的とした広範な法案を可決した。
John Rockefeller 氏 (民主党、ウェストバージニア州選出) と Olympia Snowe 氏 (共和党、メイン州選出) が共同で提出したサイバーセキュリティ法案 (Cybersecurity Act) は、2009年4月に原案が提示されて以来、4回もの修正を経て上院本会議に送られる。
「サイバーセキュリティ緊急事態 が宣言された場合、民間ネットワークの制御を掌握し、それらのネットワークを閉鎖する権限を大統領に与える。」という物議を醸した条項は、プライバシ保護団体などからの厳しい批判に譲歩する形で削除された。
さらに、「攻撃に対処する場合、各種プライバシ法を超えた権限を米商務省に与える。」という文言も削除された。
両上院議員は、この法案が同委員会で通過したことを高く評価し、「サイバー脅威が差し迫っている。」ことを声を大にして強調した。
同委員会の委員長を務める Rockefeller 氏は、
「われわれの未来は、まさしくわれわれから盗み取られつつある。
サイバー攻撃者やクラッカーらは、米国の企業やイノベータたちから資産やプロプラエタリな情報を奪い続けている。
現状を放置しておくわけにはいかない。」と述べている。
また、Rockefeller 氏と Snowe 氏は、Obama 政権が連邦サイバーセキュリティ政策を改善すべく取った初期の動きを称賛している。
この動きは、サイバー攻撃への既存の対応および防御メカニズムの包括的な見直しから始まり、その後、ホワイトハウスにおけるこの問題に対する取り組みを指揮し、議会、政府機関、民間セクターと連携するサイバーセキュリティ調整官に、前 Bush 政権でサイバースペース セキュリティ特別顧問を務めていた Howard Schmidt 氏 を任命するに至った。
しかし、両上院議員によれば、「こうした動きは素晴らしい第一歩ではあるものの、まだ目的を達するには十分ではない。」という。
サイバーセキュリティ法案のコンパニオン ビル (同僚法案) は、ホワイトハウスのサイバーセキュリティ担当者の地位を閣僚レベルにまで引き上げることを盛り込んでいる。
これによれば、このサイバーセキュリティ担当者は大統領直属であり、上院による承認を得る必要があるという。
こういった法案に関しては、日本は確実に遅れを取っていると言わざるを得ない。
なぜなら、国会議員の中でサイバー犯罪に対して脅威を感じ取っている者はいないからである。
コンピュータ・ウイルスGumblarによる被害が拡大した時でさえ、対策は後手後手に回り、政府は事態をまともに把握できてはいなかった。
それは現在も変わらず、のんきにツイッターにつぶやく政治家が出てきた。
「くだらぬことをつぶやく暇があるなら、マニフェストを実現させろ!」これが本音だ。