報道によれば、2010年3月15日、一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)が運営事務局を務めるフィッシング対策協議会は、昨今急増しているフィッシングによる被害の抑止、ユーザの保護、フィッシング対策の普及を目的に、フィッシング対策を学べるゲーム「フィッシング フィル」を公開したとのことだ。
「フィッシング フィル」は、ゲームを通してフィッシング詐欺にだまされない「URL の見分け方」を学べる教育用コンテンツだ。
小さい魚「フィル」が、正しいエサ(正しいサイト URL)を得るために、正しいサイト URL と偽物サイト URL を見分ける冒険をするもので、制限時間内に正しいサイト URL を見分けると、ポイントが加算されていくという内容だ。
偽物サイト URL については、どこで偽物と判断するかについての解説が用意されており、ゲームを通して、アドレスバーに表示される URL が重要であるということ、そして表示される URL 中のドメイン名を見分けるポイントを体得できる。
このプログラムは、Wombat Security Technologies 社が開発し、米国 Anti-Phishing Working Group(APWG)の Webサイトで公開されていた「Anti-Phishing Phil game」を、フィッシング対策協議会と Wombat Security Technologies 社が共同でローカライズしたフィッシング対策啓発ゲームとなっている。
尚、ゲーム中の正しいサイト URL は日本で利用者が多い各種オンラインサービスのものを使用し、また偽物サイト URL はフィッシング対策協議会に消費者から届出のあった実際のフィッシングサイトの URL などを使用しており、日本の消費者にわかりやすい内容になっている。
こういったゲームが普及することで、若年者層にも分かりやすく伝えることができるという点では評価できると思う。
なぜなら、ゲームならまさに“遊びながら学べる”という最大の利点がある。
また、セキュリティと聞けば難しい専門用語が並べ立てられるので敬遠していた人にとっては、敷居が低くなったと言えよう。