毎週楽しみに観ている日曜劇場「JIN ~仁~」がついに最終回を迎えた。
昨夜はそのON AIRを見逃さないようにAQUOSレコーダーに予約録画までしておいた。
「龍馬さ~ん!!」仁の悲痛な叫びが闇の中にこだまする。
自分は無事だが、龍馬が行方知れずになった事を恭太郎に伝える。
↑勝海舟をはじめ、恭太郎たちが必死になって龍馬の行方を捜すが見つからない。
仁は「未来(現代)へタイムスリップしたのか・・・。もし、俺の代わりにタイムスリップしたのなら、もう俺は戻れないのかもしれない。」と、不安を募らせる。
↑「やはり、この患者は龍馬で、もの珍しい救急救命パックとホルマリン漬けを持ちだしたのか・・・。ありえる。」と、仁は推測する。
↑頼りになる龍馬はいない。
↑そして、健気に支えてくれていた咲も・・・。
独りになってしまった事を実感する仁。
↑佐分利医師は、自分が今まで診てきた女郎達の乳癌の診断資料を仁の為に役立てようと渡す。
↑それは、佐分利医師が詳しく図解入りで解説したものだった。
これを見てもまだ仁は、野風花魁の手術については二の足を踏んでいた。
↑理由は、現代に残してきた恋人・友永未来のためだった。
なぜなら、再び野風花魁を診断し、その左胸にあるしこりが良性ではなく悪性の腫瘍、即ち“乳癌”だった場合、野風花魁の身請け話は破談となり、野風花魁と身請け先との間に生まれるべき子孫が生まれなくなる事を恐れていたからだった。
そうなれば、現代で生まれるはずの友永未来は存在しなくなり、(現代で)仁と出会う事ができなくなってしまう。
仁は非情ともいえる決断をしようとしていた。
↑佐分利医師と共に再び吉原の遊郭・鈴屋を訪ねた仁は、野風花魁を再診察する。
仁が診ても、その左胸には確かにしこりがあり、状態から悪性の腫瘍である疑いが濃厚だった。
そして、佐分利医師が下した診断結果は、野風花魁の左胸には間違いなく“乳癌”があるということだった。
だが、仁は現代に残してきた恋人・友永未来の為に佐分利医師の言葉をさえぎり、「良性のものであるなら取り出す必要は無い。」と、言い切る。
その言葉を信じ、野風花魁は身請け先へ行く事を決意するのだった。
↑仁の言動に納得できない佐分利医師は「私の診立ては信用してもらえへんという事ですよね。」と、自分の医師としての力量が仁に認められていないものと思い落胆する。
その夜、ヤマサ醤油ペニシリン製造所へ戻った仁は・・・。
↑山田医師より、佐分利医師が乳癌治療では随一の腕を持つ医術の一派である華岡流の免許皆伝である事を知る。
かつて、華岡流に在籍していた佐分利医師は、ある女性の乳癌の手術を行い成功させたが、その女性は術後に感染症を起こし亡くなってしまった。
それを好機とばかりに、若い佐分利医師が華岡流免許皆伝であることを日ごろから妬んでいた連中が佐分利医師を“人切り医者”と称し、華岡流から追放したのだった。
その後、佐分利医師は身分を隠し、西洋医学館に身を寄せていたのである。
だが、その佐分利医師がなぜ自分の身の上を明かしたのか?
それは、佐分利医師が“腑分け(=死体解剖)事件”を起こした時、佐分利医師をかばって西洋医学館を去ることになってしまった南方仁への恩返しの為だった。
乳癌の手術となれば、エーテルによる麻酔よりも強い全身麻酔薬が必要となる。
その為に、華岡流秘伝の全身麻酔薬・通仙散を使う事を佐分利医師は決意していた。
↑「良いものは流派を超え、広げていくべきです。それが医の道のためですから。」と、同僚医師に伝える佐分利医師の目は希望に溢れていた。
それを山田医師から聞き、「緒方先生が生きていたら、喜ばれるでしょうね。」と、今は亡き恩人・緒方洪庵へ思いを馳せる。
仁はどうするのか?
↑仁が緒方洪庵の墓参りに出かけている間にヤマサ醤油ペニシリン製造所には、行方不明になっていた龍馬がひょっこりと現れる。←この時の福田医師の「浦島太郎か!」というツッコミが笑いを誘う(^_^;)
その背後には隠れて様子をうかがう龍馬の姿があった。
龍馬は仁が未来(現代)から、この江戸時代にタイムスリップしてきた事を知った。
↑その夜、勝海舟と会った龍馬は「運を天に任せてみるのも一つの手さ。」という海舟の言葉に、自分の中にある迷いをふっきる。
この内野聖陽さん演じる坂本龍馬の顔を、大沢たかおさん演じる南方仁が撫で回すのはアドリブのように思えたからだ。
だが、それだけにリアルで「本物の坂本龍馬なのか、幻ではないのか。」と確かめていることが画面を通して伝わってきた。
「全てはワシのせいじゃ。」と、全ての苦しみを仁に代わって背負おうとする龍馬の姿に胸が熱くなった。
仁は、ついに野風花魁の乳癌摘出手術を決意する。
華岡流秘伝の麻酔薬・通仙散の処方を佐分利医師に頼み、
↑佐分利医師と共に野風花魁の元へと訪れ、乳癌の摘出手術を承諾させる。
「もし上手くいかずとも、あちきの手術は、先生方のご研鑽の一つとなりんしょうか?」と尋ねる野風花魁に対し、「もちろんです。」と、答える佐分利医師の言葉に、
「あちきなぞが医術のお役にたてるのなら、これほどの喜びはありんせん」と、手術を快諾する。
↑野風花魁の身請けが破談になるにもかかわらず「あの子を助けてやってください。」と、野風花魁の手術を快諾する鈴屋主人。
その人柄に胸が熱くなった。
↑吉原の世界からの旅立ちを花魁道中とする最後の艶姿。
「皆さま、おさらばえ。」
↑初めて吉原大門の外の土を裸足で踏み、「空が高くなった。」と言う野風。
花魁としての高下駄を脱ぐことで、病と闘う一人の女性となった。
皮肉にもこれが、野風花魁の吉原から外の世界への第一歩となった。
一方、野風花魁の乳癌を見抜けなかった藩医・三隅医師は、仁への逆恨みから手術を失敗させようと画策。
↑藩邸内の侍に金子を渡し、仁の手術を邪魔させる。
一方、仁は友永未来の写真を丘に埋め、手術への決心を不動のものとする。
それは写真を見ることで、また迷いが生じてしまう事を避けるためだった。
↑手術前、龍馬に人の一生を万華鏡に例えて話す野風。
いよいよ、野風の手術が始まった。
↑麻酔薬・通仙散による全身麻酔開始。
↑術中、咲の名を呼び、改めて今まで支えてくれた咲がどれほど大切だったかを知る仁。
↑その頃、咲は結納を断り、仁の元へ駆けつけようとする。
↑結納の席がぶち壊しになった事で先方が苛立つが、恭太郎は咲を成敗するフリをして逃がす。
↑また、同じ頃、三隅が雇った侍集が仁の手術を邪魔しようと、ヤマサ醤油ペニシリン製造所内にある手術室へ向かっていた。
↑乱暴狼藉を働く侍集に屈せず、命がけで仁の手術を守ろうとうする咲。
↑侍集は咲の命がけの訴えを無視して押し入ろうとするが、手術を終えた仁が「本当に大殿が命令したのか?」と問い詰めると、侍集は去って行った。
もし、事が公になれば、大殿の命を騙り行った大罪である。
切腹は免れない。
連中は己が身のために手を引いたのだった。
↑咲の泥だらけの足袋を見て、必死に駆けつけてくれ、守ってくれた事を仁は知る。
↑「あんまり無茶ばっかりしないでくださいよ。でも、本当にありがとうございました。」
仁の言葉にうなずく咲。
咲にとって、一番大切なものは南方仁その人であり、それを守れたというのは自身にとって誇りでもあったのだ。
↑野風の手術は成功した。
麻酔から覚めた野風は咲が手術室にいることに驚く。
だが、同時に結納すら放棄して仁の元へ来た咲の思いの深さを知る。
その頃、仁は・・・。
↑野風の手術前に丘に埋めた写真を掘り起こしていた。
すると・・・。
↑あるはずの写真が消えていた。
これはいったい何を意味するのか?
↑写真が消えた事で、未来が変わり、その“縛り”から解放されたことを悟る仁。
↑3度目、野風にフラれる龍馬。
また、野風も仁と咲の間には自分が入る余地が無いことを改めて自覚していた。
野風は順調に回復し、ついに退院の日を迎えた。
↑それは、野風との別れが来たことを改めて仁に実感させていた。
それは、あまりに切ない行為だった。
↑野風は、自分の足でしっかりと前を向いて歩いて行く事を決意していた。
たとえ、二度と南方仁に会えなくても・・・。
この時の野風の涙は切なく、美しかった。
↑「助けられてよかったです。」涙する仁。
↑人と人との絆を水に例え「決して消えることはない。」と咲。
仁の傍でずっと支えていこうとする健気な姿が涙を誘った。
そして、今度は龍馬との別れの時が迫ってきていた・・・。
↑「10年先、100年先を知ったところで、日は一日一日明けていくだけじゃ。一歩一歩進むしかないがじゃ。」と、龍馬。
龍馬が言いたかったのは、「今を精いっぱい生きろ。」ということだった。
「決められた未来などない。
未来は、今を精いっぱい生きてこそ、その先に存在する。」と、言いたかったのだ。
だから、龍馬と仁の別れの言葉は“さよなら”ではなく、再び会うための約束である「また明日・・・。」だったのだ。
この時を超えた友情に感動せずにはいられなかった。
咲の縁談が破談となり、落ち込んでいる様子の母親に恭太郎は「そう気を落とさずとも母上。そのうち、私が賑やかに・・・。」と元気づけるが、
↑「今の言葉真でございますね?」との、母親の言葉にいぶかる恭太郎。
「あなたに縁談が来ております。」と、母親。←この母さん、立ち直り早いです
↑佐分利医師と、いつの間にか仁友堂に居座っている漢方医・福田医師。
けっこう、いい迷コンビぶりを発揮しています
↑勝海舟が会談をしているその背後で、ブーツを履いてはしゃぐ龍馬が笑えた
↑江戸の町をゆっくりと歩く仁。
その後ろ姿は、頼もしく、だが、どこか切ない。
↑ヤマサ醤油ペニシリン製造所内の仁友堂に「国の為、道の為」という額を掲げる仁。
その言葉は、南方仁という一人の男を信じ、命を削ってまでも南方仁の医術と南方仁という人物を守ろうとした西洋医学館頭取・緒方洪庵の言葉であった。
「医の道は平らな世に通ずる。」それを信じ、全うしようとした緒方洪庵の願いである。
↑野風を救った事で、未来(=現代)は確かに変化していた。
友永未来が教鞭をふるっている。
「神は乗り越えられる試練しか与えない。」
それは、江戸時代へタイムスリップした仁が言い続けてきた言葉だった。
↓仁友堂の診察室に額を掲げようとして台から落ちた時、
↑再び、あの頭痛が仁を襲う。
この頭痛の意味は?
また、タイムスリップ?
物語はまだまだ続きそうだった。
もしかして、2ndシーズンをON AIRするのだろうか。
だったら、大歓迎だ(^O^)/
それにしても、結局、この腫瘍↓の正体が描かれていなかったなあ。
やっぱり、2ndシーズンで、全ての謎が解き明かされるのかな?
日曜劇場「JIN ~仁~」。
最終回の視聴率は、関東地区で25.3%、関西地区で18.3%だったそうだ。
TBSによれば、今年の民放ドラマでは最高視聴率だそうだ。