来月、いよいよMicrosoftの最新OS(=基本プログラム)であるWindows7が発売される。
Windowsに関しては、それまで主流だったコンシューマ(一般家庭)向け32ビットOSをプラットフォームにしていた為、サーバー用に開発されたWindows NT系とは違って安定さに欠けていた。
特に不安定で群を抜いていたのが、Windows Meである。
こいつにはずい分泣かされたものだ。
それが、飛躍的に解消されたのはWindows XPが登場してからだった。
Windows XPはWindows NT系であるWindows2000をベースに開発されたものであり、そのおかげで初めて“落ちない=安定したOS”として君臨出来た。
そして、高度な機能を搭載し、セキュリティを高めたOSとしてWindows Vistaが登場したわけだが、多くの企業や家庭用OSがWindows XPを使用しており、また、各アプリケーションもWindows XP用が主流であったため、Microsoftの思惑とは裏腹に普及が浸透したわけではなかった。
現に、蓋を開けてみれば、ネットブックに代表されるウルトラモバイルPCに搭載されているWindows XPの出荷台数がWindows Vistaを遥かに上回っていた。
それを挽回するかのように、10月22日にWindows7が登場するわけだが、これを現在使用しているPCへアップグレードする場合、2つの方法がある。
その方法とは、アップグレード・インストール(上書きインストール)と新規インストールの2種類だ。
アップグレード・インストールは、現在使用するWindows Vistaのデータや設定(マイドキュメント内ファイルやお気に入り等)、インストール済みアプリケーションなどを保持したまま、上書きしてWindows7に置き換える方法のことだ。
新規インストールは、現在使用しているPCへ新規に“まっさら状態”のWindows7をインストールする方法だ。
但し、Windows7をアップグレードインストールするには、下記に挙げる様な条件を満たしている必要がある。
①Windows Vista(SP1)以降を使用している
②32ビット版から64ビット版、あるいはその逆への変更は不可
③個人向けエディション(Home Premiumなど)から企業向けエディション(Businessなど)、あるいはその逆への変更は不可
④下位エディション(Windows Vista UltimateからWindows7 Home Premiumなど)への変更でない
という条件下で行える。
また、Microsoftは使用中のPCや周辺機器がWindows7へのアップグレードの要件を満たしているかどうかを簡単にチェックできるツール『Windows Upgrade Advisor』の提供を2009年10月中旬に始めるそうだ。
このWindows Upgrade Advisorは、Windows7が動作するPCのシステム要件の基本チェック以外に、互換問題があるとすでに判明しているソフトウェアやハードウェアの確認、Windows Vista SP1以降が適用されているか否か、「Windows XPモード」利用時に必要な仮想化支援機能搭載CPUか否かなどの確認も行えるとのことである。
まずは、Windows Upgrade Advisorが提供されてから、Windows7へのアップグレードが可能かどうかをチェックしてからでもWindows7の購入は遅くないだろうと思う。
そして、何よりも注意しなければならないのが、Windows7には、かつてのOSのようにメールソフトが付属していないということだ。
つまり、電子メールを利用するには、ユーザー自身でメールソフトを用意するか、Windows Liveを利用するしかない。
これは、PC初心者にとっては難しく、取っつき難いものかもしれない。
それを鑑みて、国内主要PCメーカーは、Windows Liveメール等のメールソフトをプリインストールした状態で販売するという。
まあ、いずれにせよアップグレードには面倒な作業が待っているのは確かだ。
すぐさまWindows7が搭載された新しいPCを購入する余裕があればいいのだが、システム条件を満たしたPCを所有している自作PCユーザーには少々頭が痛いところではある。
現実問題として、筆者(FireBlue)も「どうしようか?」迷っている段階だ。