子供の頃飼ってた犬の名前と、10代の頃実家で飼ってた猫が黒猫だったのが僕の名前の由来なんですが、今日はその猫の話。なんか思い出したから。
その猫と僕はそんなには仲が良くなかったんです。僕がめっちゃ構うのと、たまにひっくり返して遊んだりしてたので。
なんですが、ある夏の日、縁側に面した部屋に入ると、猫がドヤ顔でこっちを見てるんですね。
足元を見るとそこには死にたてほやほやの小さいモグラさん。
わお……ってな感じで若干引き気味の僕を、猫は「これやるよ」と満足気な顔で眺めていましてね。
普段あんまり仲良くないのに、これあいつに上げたら喜ぶんじゃないかな?って猫が考えてるところを想像したらあんまり無下にもできず、よしよしよく獲ったねえらいね、と、頭をなでなで。
一仕事終えた顔でまた出かけてゆく猫を見送ってから、裏の山にモグラを捨てに行きました。
それからしばらく経ったある夜、僕が部屋でゲームをしていると、猫が中に入れろと戸をがりがり引っ掻きました。
珍しいこともあるもんだと思いながら戸を開けてやると、猫は僕の布団にもそもそと潜り込んでいきました。布団に手を突っ込んで2、3回頭を撫でてゲームに戻る僕。
2時間ほど経った頃でしょうか、布団の中からみーみーと聞き覚えのない声がし始めました。
まさか!と思いそっと布団をめくってみると……小さい家族が2匹ほど増えておりました。
ここで産んだか……。
初めての出産、独りでは不安だったのでしょうね。他に誰もいなかったからなのでしょうが、それでも僕の側に来て産んでくれたのが、なんとなく嬉しかったのを覚えています。
懐かしいな。
では!
-くろい-