「明日の男」理論
最近読んだ本にこんな事書いてあった。
「
極めて単純だよ。今日この場で、きみはきみだ。
明日には明日のきみになる。
毎晩、われわれは体を横たえて死に、毎朝、生まれ変わって起き上がる。
元気があって健康な人間は、自分の「明日の男」の世話をする。
今日、正しく食べ、飲み、早寝する――
「明日の男」がベッドで目覚めて、「今日の男」に感謝できるように。
彼は「昨日の男」に愛情のまなざしを注ぐ。
子供が良き親に対してそうするように。
誰かが――彼自身が――自分の世話をしてくれた事を知っている。
大切にされ、敬意を払われていると感じる。
つまり、愛されていると。
そしてその営みを次の自分に引き継いでいく。
しかし、精神が貧しく、悪い状態の人間は、「明日の男」に混乱を片づけさせるばかりだ。
食いたいものをなんでも食い、夜明けが来ないかのように飲み、忘れる為に眠る。
「明日の男」に敬意を払わない。
「明日の男」が自分であることをきちんと考えない。
というわけで、眼が覚めると、新しい「今日の男」は、「昨日の男」の敬意の欠いた行為にうめき声をあげる。
なぜあの男は――自分自身なのだが――おれを罰しつづけるのだと。
だが、彼らは決して学ばない。これでいいと思いはじめ、自分に何も期待しなくなる。
同じ悪い習慣を明日に、次の日に、また次の日に持ち越す。
やがてそれが心理的常態となる。
まるで呪いだ。
」