終演後の劇場にて

終演後の劇場にて

こちらは観劇の記録はつけますが観劇ブログではありません。
お芝居の解釈・考察・妄想・時代考証などなどを行っていく
深読み暴走オタクの妄言エッセイ置き場です。
劇場の幕が下りてから、筆者の暴走は始まる…

こんにちは

舞台版千と千尋の神隠し上海公演を観に上海まで行ってきました

千与千寻と書くみたいです

 

東京では不意打ちでアンダースタディープリンシパル回が出てはらわた煮えくりかえっていたのですが今回は最初からキャストスケジュールが出て良かったですね

何度でも言うからこれは

 

まずは釜爺を演じるスケジュールをチェックしました

7公演もやるんだ!実質Wキャストじゃん!!

公演決定が解禁された際にはまだそこまで行くつもりはなかったのですがチケットがなければ入れないけどチケットは後で名義人を変更できるらしいから行くにしても行かないにしてもチケットがあって悪いことはないしチケットはとりあえず手に入れておきました(くどい文章)

 

まずチケットを手に入れるまでにパスポートが必要でした

パスポートの期限が切れていたのでまず申請するところからスタート

一ヶ月待って盛れてない写真のついた最強の身分証明書が完成しました

この段階では当初の公演日程(追加公演が無い時)の申し込みには全然間に合ってなかったです。取っておけばこの先も不便にはならないだろうしいい機会だな~くらいの感覚で。べ、別に追加が出たからチャンスと思ったわけじゃないんだからね!

 

パスポートを入手したらWeChatの出番です

WeChatとは中国のLINEみたいなもので、チャットがメインにはなっていますがミニプログラムから色んなアプリにアクセスできるので慣れたら結構便利です

とにかくWeChatのミニプログラムで易博通eSenderを登録し中国の電話番号を取得しないことには様々な認証を通り抜けられないので登録します。電話番号を作るにはパスポートも必要になってきます

ここの手順は詳しいサイトが絶対あるから省きます

 

なんやかんやあって大麦というプレイガイド的ミニプラグラムを使って座席ゲットに成功しましたが追加公演はぴあもチケットを売るということであれはなんだったんだという気分になりながらも保険として両方でチケットを買いました

大麦は自分で座席選ぶシステム

ぴあは現地で引き換えるまで座席不明

蓋を開けてみたら理由はよくわからないんですがぴあで買ったチケットのほうがいい席(真ん中寄り)だった

階段降りたら受付ありました

 

チケットは手に入ったのでちょうどよさげな航空券を取ります

夏休みだし安くはなくてキャンセル料もかなりかかるのですがしょうがありません

上海航空というのに乗っていきました

機内食がそこそこのボリュームで面白かった

ピーナッツとデミケーキは小さな袋に入ってたからホテルに持っていくこともできたけど機内で食べました

 

さて、中国は電子決済がとても盛んなので現金より決済アプリをメインで使いました。というか同行者が一瞬現金使っただけで私はずっと電子決済

お買い物も宿泊もデポジットも地下鉄もこれでピッとすればいけます

ありがとうAlipay(韻を踏む)

しかしAlipayを使うのにもパスポートが必要です

中国へ行く準備というのは平たく言えばずっと中国のサービスから「あんた誰?」と訊かれ続ける工程です

 

で、このAlipayが本当に決済できるのか日本にいるうちに試してみたら「あんたの口座日本のでしょ?それにはサポートしてないから払えないよ(自動翻訳だと「外国の銀行カードの使用はサポートされていない、追加し続けるか?」のメッセージが出ます)」と弾かれ続けます。焦ります。このまま中国行っても動かなかったらかなり詰むぞと不安が募りますが調べたら中国行ったら使えるようになるとの情報に辿り着きマジで頼むと思いながら飛行機に乗りました


結果

使えた

 


虹橋空港のローソンで使えた

上海での初買い物、華やかなプリッツ(おいしい)


入国審査を通過できてやれやれだった後に支払いも順調で、この旅、なんとかなりそうという安堵感

 

 

急ですがこの辺で一区切りしておきます

お久しぶりです。

なおざりとおざなりが未だにごっちゃになる私です。

 

さて、4月観劇してきた『ツミとバツ』

場所はすみだパークシアター倉でした(くらではなくてそうと読むみたいです)

Twitterで検索する場合は #ツミとバツ2025 を使うと便利です

しかし公式アカウントはかなりエゴサ上手なのでハッシュタグ使ってない感想ツイートも見つかってしまったりもします

その場合はあっという間にリツイートされてしまうので公式さんのアカウントに飛べば一か所で色んな感想が見られるので楽かも

 

内容はドストエフスキー原作の『罪と罰』を現代日本へ翻案した作品ですが、主催のGroup Bさん公式YouTubeで公演を観てから原作を読んでもらってもいいよって言ってくださっていたし現代日本として不自然な箇所はなかったのでご安心を!

 

出演者さんは以下です

 

コオリジロウ

  犬飼直紀

マルヤマソノカ

  山本咲希

コオリミチナ/タナベリサ

  田代明​

ウラタトモオ

  千葉一磨

イワノリョウ/スガヒトシ

  大田翔

コオリフミエ

  吉川恭子

ヒラルリコ

  橘未佐子

マルヤマハルイチ

  萬谷法英

(敬称略)

 

漢字はあえてあてなかったみたいです

あとなぜか公式HPでは大田さんの役名が違っていますが、パンフレットに記載されていたのはこっちの名前なのでそちらを採用しております!悪しからず

 

 

ストーリーはシングルマザー家庭の主人公(ジロウ)がバイト三昧で通っている大学の単位を落とし留年が決まったところから始まります

バイトばかりしていた理由は学費で奨学金がかさんでいて焦っていたんでしょう

彼のお父さんは詐欺に遭い自殺してしまっているのでその借金等もあるのかも

しかも主人公は法学部に入って弁護士目指しているんですが法律じゃ自分の父を死に追いやった詐欺師たちを殺人罪には問えないし詐欺罪として5年くらいで刑期が終わったりするしで意欲も下がりっぱなし…

趣味で小説を書いていたこともあって高校時代にネットに公開したミステリー小説は年上の友人(トモオ)には刺さりまくっており、何らかの賞に応募して箔をつけてくれたら勤めている書籍編集部で出版したいくらいまで評価してくれていますがその後は小説書くどころか読む時間もないくらいバイトに明け暮れていたそうです

経済的に困窮していた主人公のもとに姉(ミチナ)の縁談が知らされ「自分が家の金を浪費しているから姉ちゃんは身売り同然で結婚するのでは!?」くらい思いつめます

そこで父を陥れた詐欺師のようにあくどく儲けている質屋(イワノ)を見つけ、空き巣に入ったつもりが強盗殺人になってしまい、彼を追う刑事(ヒラ)や偶然出会った親子(ソノカ、マルヤマ)、姉の婚約者(スガ)が彼の考えに干渉していく…という展開です

 

この作品はミュージカルなのですが物凄く楽曲が難しくてですね…

下がると思ったら上がったり逆だったり…プレビュー公演観たときは私の脳で音楽を処理しきれなくなって混乱した曲がいくつもありました。予想と違う音へ行くので全く落とさず歌っている演者さんが間違えているように聞こえてしまうことがあってかなり慌てました。すこしずつ慣れた

コーラスワークやハモりが綿密に練られているのはわかるのですが、もうちょっと素直に作ってもいいんじゃないかな…と思っちゃったりしましたね…まぁ音楽やったことない素人なので良さを理解できていないだけなんですが

 

作中でのSNSの使い方は上手いな~と感じました

ジロウが起こした事件に関する世間の反応であったり、彼が小説をウェブ掲載していたことをヒラ刑事にバレて内容から思想へのカマをかけられたり…現代日本に馴染んでいました

私がジロウだったら本名のわかるアカウント名で小説は載せないかなと思うんですが、高校生時分に作ったアカウントなんて本名でやってる同級生のアカウントとか普通にフォローフォロワーにいたりするから芋蔓だったりしますよね…

 

作品への感想はそれこそTwitterで語ってはいるので改めて整理するのは別の機会にして、この記事ではそれぞれのキャラクターについて思いついたことを書きます

筆者は天邪鬼かつ偏見が多いため、爽快な内容ではないことあらかじめお詫びします

 

・ジロウ(主人公)

自意識過剰です。誰もそんなこと気にしてないって!っていうことを自分のせいだ、自分がああしなければ…を考えて生きている感じがありつつ、そうやって先行して自分を責めてますよポーズをとることで「私はすでに私に罰を与えています!これ以上の罰を私に与えるんですか!?あなたはひどい!」と逃げているように見えます。私がそういうタイプなんです。自分の嫌な部分を端正な俳優さんが演じているという珍しい状況

とにかく大学生なら講義を受けてください

 

・ソノカ(偶然出会った女性)

彼女はシングルファーザー家庭で父は職を失い妻に逃げられ自暴自棄になっていて仕事してないので彼女が色んな仕事をしている大黒柱です。他人に対してめっちゃ優しいのとすぐ相談に乗ってしまう性分があり闇バイトに巻き込まれたりします。ソノカが世話焼きなのは悪いことではないですが人を助けることに酔ってるとか散々に言われたりそのせいでジロウに告解されてしまったり、下手に手を差し伸べるととんでもないことになっちゃう例として存在しているところに胸が痛みます。いまからでも楽しい思い出たくさん作ってほしい

 

・ミチナ(ジロウの姉)

彼女については演じた田代さんがインスタライブでお話しされていたことが、私がミチナに感じていた「大丈夫かなこの人…」をはっきりと言語化してくれていたのでそれのメモみたいになってしまいますが、ミチナのソロ曲[悲しみは遠く彼方]は2番まであるのはなぜか?ということから逆算して彼女の罪を考えたようです。この曲は結婚するぞ!ハッピーになるぞ!お金にも不自由しない暮らし!最高!万歳!をかなりメルヘンチックに表現しています。でも婚約者はなんかおかしい?あまりに羽振りがいい?「そんなものは見ない!(田代さんご自身の発言で面白かったので使わせてもらいます)」ジロウの様子が変?「そんなものは見ない!」そういう逃避や見ないふり傾向を伝えるもの、と聞いて非常に納得しました。ありがとうございます

 

・リサ(殺された女)

実はミチナと同じ人が演じている。最初ビックリした

田代さんの感じ悪いスタッフさん再現が本当に上手だけど、実はソノカがやばい仕事から足を洗う後押しをしてくれた頼れる先輩だったと知ったら、お金が欲しくて時計を質に入れたいと訴えるジロウへの目線に意味が見えてきたりしました。個人的にはミチナより好きです

 

・トモオ(年上の友達)

性格は温和だし親身だし笑顔も爽やかだし定職に就いている完璧超人圧倒的光。もしかするとミチナの結婚に対して純粋に祝いたい気持ちじゃないのかもしれないけど、コオリ一家の幸せを心から願っている人。彼自身は物凄くまっとうな人なんだけれど、このツミとバツ世界の中では異質に見えてしまうのが面白いです。「なんでここまでしてくれるの?」と訊いても「だって俺たち友達だろ」と微笑んでくれそうです。スガさんはずっと信用してもらえなかったのにね…

 

・イワノ(質屋)

経済回していると言い張るけど搾り取ったお金を何に使ってるのか不明。ここまで開き直っていられるのは才能だと思うし借金踏み倒し老人(萬谷さん演)を「奥で話しましょうか」とこの後ボコボコにする雰囲気出してたけど老人はカメラを壊せるほどの余力を残していたのできっとそこまで手荒なことはしてない。実はジロウより法律に詳しくて、追及されたら言い逃れできるポイントを押さえているってのも十分考えられる人

 

・スガ(ミチナの婚約者)

スーツ眼鏡長身敬語ハンサムで歌が上手いのできっと犯人犯人でした。彼の精神構造は大好きです。倫理や道徳を理解してはいるけど内在化していないのでタブーを軽々やってのける。ヒラ刑事の言う「ひとでなくな」った人。保険金目当てに親しくなった人を次々と…ということはなく、他の登場人物と比較しても愛情の強さでは負けていないくらいの重い人。重いがゆえの退路の断ち方する令和のヤンデレ。創作物ってこういうキャラクターを魅力的に描いてしまえるから、最高で最悪ですよね。リスキーすぎる生き方してるけどそれが性に合ってるならもう何も言えない

 

・フミエ(ジロウの母)

申し訳ないけれど、彼女の考えはよくわからなかったです。それは私の人生経験が浅いせいだというのはわかる。なぜ姉のミチナより弟のジロウの出産で「自分より大切なものができるなんて…」と思ったのか?ぼんやりと息子贔屓な傾向が見えてしまい、それは改稿で生じた矛盾なのではなく、そこで発露するフミエの人格なのだと思うと、共感したくなかったです。役者さんはとっても温和なかわいらしい人だったのでなんだか安心しました

 

・ヒラ(刑事)

単独行動をしたり心理戦を仕掛けたり、法律の範囲であればかなり自由に動いてしまうので、私はヒラとスガはかなり似た性質を持っていると感じています。ジロウを追い詰めていくのでジロウからしたら自分をもてあそぶ悪魔のように思えるかもしれないけど、本気の悪魔はジロウをひとでなしの道へ誘うスガなので、ヒラはお釈迦様のようなものなんですよね。彼女はサディスティックな人間かというとそうでもなく、法の裁きにより罰を受け罪を雪ぐことが犯罪者に残された唯一の救済と思っているからこそ、ジロウの罪の意識を刺激し、自首を促したのだと思います。その過程を楽しんでいるのはそうかも

 

・マルヤマ(ソノカの父)

「私が悪いんです…私がちゃんと働かないから…」そうですねとしか言えない。優しいのはわかるし、こういう人はほっとけないし、この人も色んな人をほっとけないんでしょう。でもキャパシティ超えた問題を抱えようとして一緒に溺れてしまうタイプじゃないかなあと。目の前で失われかけた倫理を守るために別のところへ問題を皺寄せしちゃう、倫理の自転車操業。でも善人なのは間違いないので、彼が落ちぶれていってしまう世界って、優しさのテイカーばかりのぼんやりと絶望が覆う世界ですね。アルコール依存症は治療が必要だから、ソノカも一緒に溺れていってしまう傾向だったのがさらに悲劇。彼のことは「なんか優しくてだめな奴」略して「やさだめ」と呼んでいきたいです。小さくてかわいいやつがちいかわみたいなノリで。あの居酒屋は家に居場所がないマルヤマさんの逃げ場だったのに、そこにいる人たちは(当然そんな義務はないわけだが)彼のことを福祉につなげたりはしなかった。網の隙間からこぼれ落ちてしまう貝殻みたいな存在

 

 

名前のある人物はこれでおしまいです

ハンチングおじいちゃんハイヒールおばあちゃんに関して書きたい気持ちもありますがあまりに更新していないのでこの段階で見切りをつけます

 

今後も改稿を重ねて変化していく作品だと思うので、先が楽しみです



おまけ

撮影可のカーテンコールの萬谷さん

しもてに座りすぎました


ニコニコ〜


芸術的

ブラッククローバー the Stage

もしくは舞台ブラクロ

もしくはブラステ

(ブラステは他にも複数の舞台で略称として使われているので通じにくい)

 

これにね、萬谷さんはご出演でした。

すみません昨年9月の話です。

ローマもといシアター1010


大聖堂もといKAAT


情報解禁されたときは読んだことのない漫画の2.5次元舞台で予習大変そうだな…とか後ろ向きな思いも少なくはなかったのですがストーリーはかなり初期の部分を舞台化してくれたということで電子書籍でサクッと読める量で一安心。

そして配役見てロータス・フーモルト役って書いてあって、原作読む前に画像検索したらあなた

似てる…

いや似てるな…

売り出し中の若いイケメンにいいかっこさせるためポジションだったら承知しないからな!くらい牙を剥いていた私も「とにかくルックスに関しては文句のつけようがないです」と急にトーンダウンしました。

それ以降出されていく情報も魅力的なものが多く、原作も熱い展開があるし、ちょっとずつですが楽しみな気持ちになっていきました。

あくまでちょっとずつ…

演出の方が舞台版の黒執事でアバーライン役をしていた方で、彼のお芝居でアバーラインのおっちょこちょいキャラクターが逆輸入されたってWikipediaに書いてあって「面白さ優先でキャラクターを改変されたらどうしよう」という不安もついて回っていたからです。

 

始まってみたらテンポもいいしキャラクター像も忠実だし遊びの部分をセッケに寄せてエンタメ性も持たせようとしていて、かなり満足度の高い舞台でした!

 


1人ケーキ美味い


2.5次元って全然感覚が掴めなくて。

でもアフタートークで萬谷さんは「ミュージカルと2.5で垣根を作りたくない」っておっしゃってて、違う界隈って意識を持っていた自分が恥ずかしくなりました。

「相乗効果で舞台が活気づいていけばいいのに」っていうようなことを言ってました。私の推し視野広い!舞台界隈を常に思ってる!賢い!かっこいい!!!

こんな素敵なお話をDVDに収録しなかったのは気になるけども!



映像に残して発売してくれるだけありがたいじゃないかと私の中の舞台好きな人格は宥めてきますが、やるなら全部収録したらいいじゃん!!!というわがままな人格のまあ強いこと。

メロスには、権利関係がわからぬ。

だから大人の事情でと言われても微妙に納得しづらいんですごめんね。

 

なんだかんだすべてのおたくが贔屓の部分に文句なし!という製品を作るのはほぼ不可能かと思いますが、とりあえずはかなり良かったです。ありがとう。

ブロマイドも超かっこよくてたくさん買った。

アクスタも買ったしトレカもいっぱい交換してもらった。

最終的には「好きな人が持ってたほうがいいので!」と特に何も交換するカードを指定せずくれた人もいた。いいひとすぎる。とてもありがとう。

 

美しいそして渋い


しかしこのDVDが会場で事前予約募ってから発売が延期しまして。

当初の予定では3月に届くはずが4月下旬~5月上旬になり、結局5月31日になったんですよね。

良くないなぁと思ったのが4月3日に最初の延期が告知され、5月31日は発送完了の報告だったんで、サイレント延期を2回やったって結果に。

間に合わない場合は正直に言ってくれたら、おたくも鬼じゃないから、許してくれるって!

次からちゃんと報告してね!


おまけ

YouTubeのリンク



萬谷さんをおすすめしてくださる植田さん!

嬉しい!ありがとうございます!