サラリーマンだった頃に同じ職場で働いていた友人が、
いよいよその会社を辞めてこの春独立するというので、話を聞きに行ってきました。
独立したいと言ったこの友人の言葉を聞いて、最初少し驚いたんです。
なぜなら、彼女は安定志向の人だから。
ネームバリューのある会社で毎月きちんとお給料をもらい、
ワークライフバランス重視でプライベートも充実させる。
側から見ればなんの不満もなく、むしろ毎日を楽しんでいるように見えていたので、思わず
「なんで起業を選ぶの?」
と聞いてしまったくらいです。
友人にしてみれば、すでに起業した私の口からそんな言葉が出てくるとは思わなかったようで、
「起業って大変だよ〜」
「今の会社にずっといた方が楽だし起業するよりはまだ安泰だよ〜」
などと言って諌めようとする私に少しイラッとしたようにも見えました。^^;
そして友人の口から出た答えは、
「もういいかなって思ったから」。
彼女の言う「もういいかな」とは、
「もういい加減今の会社から離れて自分でやってみたい」
という意味です。
つまり、彼女にとっての「タイミング」がやってきたということなんですね。
その言葉を聞いて、
そういえば私はなぜ起業しようと思ったんだっけ...と、自身のことを思い返してみました。
そして、結局自分も同じような理由で起業したんだということを思い出したんですね。
私が起業したいと思った理由は、
・本当の意味で自立したかったから
・自分の裁量で仕事をしたかったから
です。
どこかの会社に所属して働くというのも、ある意味自立のひとつのかたちです。
ただそれだと、確かに毎月安定したお給料はもえらますが、その分与えられた
枠組みの中で、その会社の利益を上げるために行動することが大前提となります。
そういった中では、自分の考えより会社の考え、自分の選択より会社の選択を
優先する場面が多くなるのも無理はありません。
長く働いていると、そんなかたちに物足りなさを感じる人も出てくるわけです。
なぜなのでしょう。
なぜ物足りなさを感じてしまうのでしょう。
それは、
人間は、自己実現したいと願う生きものだから
なんですね。
マズローの5段階欲求理論の最上層に位置する「自己実現の欲求」です。
自己実現の欲求とは、個人が自身の潜在能力、才能、そして興味を最大限に発揮し、
自分自身としての可能性を実現することです。
自分自身の成長と進歩を最優先し、個人的な達成に価値を見出そうとすることです。
制限のある組織内の規範や他人の期待にとらわれず、
自分にとって意味のある人生を追求することです。
起業して自分のビジネスをやるということ。
それによって誰かの役に立つこと。
それが私にとっての自己実現なんだと気づいたからこそ、
未知の世界に踏みだす勇気が出たのかもしれません。
新しい未来へ踏み出そうとするこの友人を全力で応援したいと思いましたし、
私ももっともっとがんばろうと、心に誓いました。