前半を読了.後の半分は査読で使える例文集となっている.
査読は研究者ならば多かれ少なかれやらねばならない.しかし査読についての成書はあまりない.今回初めて読む.自分自身の査読のやり方は見よう見まねで,他の研究者も同じだと思うが,特段指導を受けたことはない.他の人がどうしているか知りたくはあったが,普段そのような話をする人も機会もない.
本書は著者の考え方・方法が示され大変参考になる.座談会では他の有力研究者の方法も紹介されている.
著者は「査読は出版の可否判定をすればよく,査読した論文をよりよくしようとか,その論文の執筆者を教育してあげようなどとしなくていいのでは」との意見を述べている.これはちょっと意外だったので印象に残っている.著者は年間50件程度の査読をするそうだから,こう考えないと身が持たないということもあろうが,確かに親切もほどほどがいいのかなと考えさせられた. 不誠実な論文投稿者が確かにいるから.
最近査読した論文でひどいのがあった.重要な実験条件が悉く抜けていた.それもあって主張の根拠がわからない.この論文,知っている人がゲストエディターとなっていた特集号への投稿だったので,無碍にリジェクトできない気がして大幅改訂を条件に通してしまった.失敗だった.この論文の著者らは論理的に飛躍した結論を「信じている」といって妙に自信満々なのであった.即落とせばよかった,と後悔している.