つわりつわりって、しんどがってダラダラして…。
ご飯も、寿司ご飯かおなべかすきやきか、たまに酢の物つくるか酢入りのポテトサラダつくるか…。
ちょうてきとう。1日おかず一品しかつくれない。
専業主婦のくせに掃除洗濯1週間に1回すればいいほうだし。
買い物いくとすぐフラフラして、すぐ帰る。
ちゃんと生活してないからだ。
私は今まで本当に仕事しかしてこなかったから…何にもできない。
抜けがらだ。
私には、仕事しかなかったんだな。
素早いルートキープも保清介助も人工呼吸器管理も、主婦にはいらない。
料理が一番必要。

だめな主婦だ。
今までのツケが来てる。
早く気付けて良かったのかもしれない。
仕事で必要とされて、いっぱしに自分に価値があると思い込んでた。
でもね、家では何にもできないのよ、私。
天狗になる前に、気付けて良かった。
仕事辞めなかったら、子どもができても、ぜんぶ、お惣菜とか、お金で買ってきて、解決しようとしただろう。
保育だって、お金に任せてしまったかも。
今までそれもよしと思ってしてきたけど。

やっぱり、買ってきたのと、作るのとは、味が全然違うのよ。
何も出汁から取ってるわけじゃないけど、それでも全然味が違う。
食事をして、美味しい、美味しくない、とか、今まではあんまり気にならなかった。正直。
それどころじゃなかったし。たいてい、へとへとで空腹で、食べれればなんでも美味しく感じてた。
今は、コンビニ弁当とか、味が濃すぎてだめ。
丁寧に料理したものと作りたては、美味しい。
それがはっきりわかる。
私は今まで何でも食べれる人だったけど、舌がばかになってたんだなあ。
今の旦那が、忙しすぎて同じになってる。
舌がばかになってる。
人って、疲労してると、味が鈍くなるんだね。
美味しいものとおいしくないものが分かるようになっただけでも、仕事を辞めて良かったと思える。
街を歩けば畑に新しい苗が植わってて、なんか感動した。春だなって。
農家の人いいもの見せてくれてありがとうって思った。
なんだか、今まで、自分が、すごく疲弊していたことに気付いた。
肌がすごく綺麗になった。
今までは、クマがすごくて、キメが粗くて、色も黒っぽくくすんでたけど、昨晩鏡を見たら、クマが薄くなって、色が白くてキメがすこし綺麗になってた。
くすみがすごく取れてたのにびっくりした。大学卒業直後に戻ったみたい。
夜勤のあと、目に見えて肌がくすんでたもんなあ。
疲れたり調子が悪いときは休んでいい、っていうだけで、こんなに救われるんだね。
誰にも謝らず休める幸せ。
委員会の仕事や係の仕事や研究に、休日頭を悩ませなくていい幸せ。
なんの義務もないんだ。

仕事、辞めて良かった。

そう思わせる看護界を変えたいけど、無理だから。
甘い汁を吸っている看護師が一定数存在する、その人たちが自分の利権のみを守り続ける。だから、無理なんです。
私のような若い看護師は永久にしんどいままでしょう。
あともう少しで甘い汁を吸う側に回れたのかもしれない。
でも、無理よ、私には。
苦しんでる若い子の上でのうのうと利権を貪るのは。

そうすることのできそうな人は、私と同じ立場の人にもちらほらいた。
ああいう人しか、多分、本質的に甘い汁は吸えない。
私は辞めて良かった。

頑張ってる若い子達のために、こんな世界を変えたいとも思うけど。
私はまず私を大事にしないと。
そのために、やっぱり辞めて良かった。

わたし、看護師のなかではそこそこの大学出てるんだけどね、看護師にはそんなこと関係ないの。
でも実力主義でもない。わたし、けっこう研究も委員会の仕事もチームの仕事もしてきたの。
でも、そんなの関係ないの。
ダラダラ長く勤めているか、うまく立ち回った人だけ美味しい思いをする世界。

看護師が離職する理由をもっと考えて欲しい。