仕事と少し距離ができれば、私が働き続けようと思った原点を思い出せたりする。
看護師を長く続けてる人は、多分、仕事をしている自分が好き、とか、あー私充実して仕事してるー!とかいう人はきっと少なくて。
ほんの少しの患者さんに感謝されたことを糧にしてるんじゃないかな。
後輩は、「私は仕事と家庭を両立したいんです。自立したいんです。」って言ってる人もいて、働きたがってたけど、めちゃくちゃ患者さんに態度悪くて、そのうち仕事しんどい、っつって妊娠して来なくなった。
患者さんの「ありがとう」がなくちゃ、給料だけじゃやってけないだろうな。

小児科の子どもの受け持ちをしたとき、お母さんと子どもに、とても感謝してもらった。
私が受け持ちでなかったら、こんなにスムーズな移植にならなかったかもね、って先輩に言われた。
あの子のこと大好きだったから、看護師としてできることぜんぶしよう!絶対に後悔が残らないようにしよう!って思った。
ちゃんと照射も理想通りかけて、感染予防もできるよう、考えれる最善を尽くしたつもり。
他職種での情報共有、薬剤指導、照射と移植部屋のプリパレーション、感染指導…。
あの子はとても順調に移植を乗り越えて感染もおこさなかった。
嬉しかったな。
あの子と家族ががんばったので、私のやったことなんて、ほんのちょっとだけど。
受け持ち看護師としてできることはやり切ったわと感じた。

あの子の笑顔と、私の時だけ、信頼してくれてるのか、ちょっと処置に協力してくれる感じと、お母さんの感謝の言葉がなかったら。
私は看護師辞めていたかも。

ほんのちょっとのありがとうが心の支えだわ。

仕事に真摯に取り組んだ分、たくさんたくさん嬉しいことも学べることもあったわけで。
それはきっとあの嫌いな先輩や後輩には経験することのできないもので。

4年目の時に感じた「一生懸命するだけ損じゃん」って気持ちは、5年目で「そんなことはなくて、ちゃーんと、一生懸命しただけ返ってくるものが違います」って答えが返ってきました。
だから続けようと思ったの。

もう少し、家庭も大事にします。
旦那さんは凄く優しい。
仕事をする私を応援してくれてる。
旦那さんのことも自分のことももっと大切にしなくちゃ。それが両立ですよね。

がんばろう。

看護師という仕事を通して、私は、高校の時に思った「つらい人に寄り添って手を差し伸べることができる人になりたい」という思いを実現していける気がする。
成長していける気がする。

だから、きっとそのうち天職にできるかも。

無理せず今は外科ナースとして頑張るのだ。