もし私が溶けて水になるんだとしたら、何色になるだろう。私の友達は?職場の人は?電車で隣に座った人は?お母さんは?みんな、最後に溶けて水になるんだとしたら何色になるんだろう。最後に溶けて水になって、それを綺麗な透明なガラスのコップに入れて眺められたらいいのに。きっとそれはきらきらしてるんだろう。私が溶けたら何色になるだろう。薄い水色で透き通っていればいいのにと思う。それを加湿器に入れて、部屋を加湿して、それで、そこでお別れ会を開いてくれるとしたらどうだろう。とてもきれいななくなり方。そうして、少し、大切な人の溶けた水は小瓶に入れて、それが自然に蒸発してなくなってしまうまで、肌身離さず持っておくんだ。なんだか、それは嬉しい気がする。
私は、かたくて冷たいものになるために、一生懸命生きているのかな。最後、綺麗な水でお別れできたらいいのにね。私が一生懸命なのは何のためなのかな。かたくて冷たいものにならないため。