閃光の
アトラ・
ストライク
特別篇(その28)
カタカタカタ…パタン
零士
「やはり、話しておくべきだな」
『工作室』
キリト
「ウーン…」
カチャカチャ
キリト
「真宵の手伝いばっかりしてたら、
自分の機体が疎かになってるよ…」
零士
「キリト君～！ちょっといいか～？」
キリト
「ン？店長が読んでる…」
トコトコ
零士
「おお、すまないなキリト君」
スッ
キリト
「店長、どうかしたの？」
零士
「実は折り入って相談があるんだ」
キリト
「何々？そんなかしこまって…」
ガサッ！
零士
「ちょっとした手違いでキャンセルが
あってね…これなんだが」
スッ
キリト
「へえ、プレバン品のガンプラか」
零士
「どうだろう、送料手数料をいつもは
上乗せするんだが…定価＋消費税で
買わないか？」
キリト
「え、プレバン品を！？」
零士
「無理に…とは言わないが」
キリト
「…」
キリト
「金の管理は真宵がしてるしな…
Ver.違いのストライクは欲しいけど」
零士
「そうか…やっぱりダメか」
キリト
「真宵に聞いてみないとなんとも…」
トコトコ
真宵
「ふう、すっきり♪…あれ？」
キリト
「真宵…」
零士
「真宵君」
真宵
「何々？どうかしたの？」
キリト
「実は…」
かくかくしかじか
真宵
「…」
真宵
「店長、公私混同もいいところです！」
零士
「あ、いや…」
キリト
「いやでも、キャンセルする方もする方だろ」
真宵
「お兄ちゃんは黙ってて！」
キリト
「エエエ！？」
零士
「まあ、無理ならいいんだ」
真宵
「…」
キリト
「真宵…」
真宵
「お兄ちゃん、欲しいの？」
キリト
「あ…まあ、あれば改造も捗るかな？」
真宵
「店長、今回だけですよ？」
零士
「ウム、かたじけない…」
キリト
「真宵さん神ってる！」
真宵
「褒めても何も出ないけど」
キリト
「『ﾄｰﾙｽﾄﾗｲｸ』か…『ﾄｰﾙ』というと
『巨神』？」
零士
「いやそれは…」
キリト
「そうだな…大地の巨神にカッコイイ名が
あったよな？」
真宵
「変な…名前を考えてる？」
キリト
「そ、そんなこと無いって」
真宵
「お兄ちゃんのネーミングセンスは
微妙だから」
キリト
「…自分の改造機体の名前だし、いいだろ」
ホビー戦記 閃光のアトラ・ストライク
特別篇(その28)
終わり