前作で坂崎磐音は、故郷豊後関前藩を訪れ国家老の父・正睦とともに藩の不正を正し、おこんと先祖の墓参を終え仮祝言を挙げた。

今作では関前藩改革を支える博多の大商人箱崎屋次郎平に招かれ、おこんと筑前福岡を訪れる。
福岡藩は黒田五十二万石の武門の藩であり江戸の剣術大会で優勝した磐音は歓迎され黒田節の槍を見る。
磐音は、玄界灘に臨む荒戸の浜を見物した際、武芸者に囲まれた若侍と武家の娘を助けたことにより事件に巻き込まれる。

また江戸では、磐音の友・品川柳次郎が御家人としての家の廃絶の危機を迎えていた。

父と長男は、ともに放蕩に耽り出奔していたからだ。
母と内職で生計を立てて真面目に暮らす柳次郎に春は訪れるか。

眠る前に読み進めるのでなかなか頭に入らず本作を2回読んでみたが、つくづく楽しめるいい作品だと思った。