私が22歳で現代舞踊をやっていた時
とある写真家の作品に被写体として参加させていただいた。
その個展のオープニングパーティーがあり、スタッフとして当日準備や進行を手伝ったのだが
そこに私がファンだったアーティストがとあるプロデューサーと共にやってきた。
プライベートだからと知らないふりをしていたが、アウェイな状況で周りの人達は一切喋りかけず手持ち無沙汰になっているのがわかったので
少し時間潰しになればと思い切って話しかけた。
いざ目の前にすると中々言葉って出てこない、うまい具合に喋れない自分がいた。
突き詰める性格のその人に色々質問されて、たじたじになった。
最後に「いつか一緒にどこかで仕事出来るといいね」
と言ってくれたのははっきり覚えている。
それから少し経ち、その人の雑誌インタビューで私の話題が出てきていた。
話しかけてくれて、ファンだと言ってくれてすごく嬉しかったと。
しかしそこからは怒涛の私に対する批評で、全身に槍が刺さる気持ちになった。
名指しこそないもののこんな有名な人が無名でまだ駆け出しだった自分を
大勢が見る雑誌でこんな事言うなんて、とショックとモヤモヤで胸が締め付けられた。
でもその人の言った事は図星で、確かに私は自分の進路に迷っていた。同時期にずっと続けていたものでちゃんとした仕事が舞い込んできてたし、舞踊の先生も変えようと色々考えていて悩んでいた時期だった。
だから突き刺さったんだろう。
そしてやっと今になって分かった事は
葉っぱかけてくれたんだな、頑張れと。
どこかで私がそれを目にするだろうと承知した上で。
何故その事にあの時気づかなかったんだろう?それがその人なりの優しさであったと。
Sさん遅まきながら今更ながらやっと受け取りました。
ありがとうございます。
現代舞踊の世界ではないけど、あの時迷っていたもう一つの道で私今度は挫けず頑張ります。
