法律と社会経験。
「裁判官は社会経験がないから、
おかしな判断をする」
とよく言われるが、
いまいちピンとこなかった。
社会経験がなくても、
法律に従って判断すれば、
まともな判断はできるだろという違和感があった。
しかし、ふと気づいた。
現実社会は、法に基づいて、営まれていない。
むしろ、現実社会と法の間には、乖離があるからこそ、
法律が作られる。
とすれば、法に基づいた判断をすれば、
自ずと、現実社会とは合わない判断になってしまう。
たとえば、法律では、
児童虐待→一時保護
となるが、
現実社会では
児童施設や里親によって、
児童虐待が行われている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180303-00217362-okinawat-oki
加えて、裁判所の手抜きも目立つ。
たとえば、
「お母さんに育てられるほうが
子供は幸せ」
とばかりに裁判所は母親を親権者とするが、
実際は、
ママパパに児童虐待の上、
殺されたりする。
https://mainichi.jp/articles/20180303/k00/00e/040/308000c
一人親である母による児童虐待の懸念があっても、
「児童相談所があるから問題ない」
と切って捨てる。
これは、法律上は正しいが、
しょせん、机上の空論であり、
現実社会では、
上記の紹介記事の二つとも、
児童相談所は機能していない。
このような、現実社会と合わない判断が、
裁判官個人のせいにされていると思うのだが、
実際は、よって立つところが違うのでやむを得ないところではある。
しかし、だからこそ、
裁判官の仕事とは、
法律と現実社会の齟齬を
うまくかみ合わせることではないかと思う。
法律の建前を維持しつつも、
現実の紛争を解決する機能が求められる。
そういう意味で、社会経験のない裁判官は、
法律に基づいた判断しかできないから、
現実社会の紛争を解決できないこととなる。
やはり、社会経験は必要だね。