ノクトはギリギリ見失わずに猫を追っていた。短距離よりは長距離派だからな!持久力はあるs――
ノクト「も、駄目だーっっ」
言ったそばからへたれこんだよ。へたれこんじゃったよ。
ん?芝生だ・・・ってここ矢道じゃん!気が付いたら保健室から結構走ったなぁー
あー猫がどんどん遠く~~
くそっ、人間様舐めんなよ!そこで矢道近くに立っている弓道部倉庫から適当に弓矢をとった
いちかばちか!
ノクト「・・・・・・」
猫からどんどん離されていくから狙いを高く・・・
ビシッ!
ノクトの放った矢は丁度猫の目の前に突き刺さった
猫「んに゛ゃ!!!??」
そして驚いた猫が翼の発明品を落っことして一目散にこちらに逃げ出してきた
ノクト「ふははは!計画通り゛っ?!」
・・・語尾がおかしくなったのは、猫が私の顔面をその爪で引っ掻いたせい
ぐををををを(Ω言Ω)いってぇぇぇぇぇぇ!!ゴロゴロと転げまわる私を踏み台にして猫は再び学園の方へ走っていく・・・嗚呼、拙者もここまで哉・・・
誉「ノク!」
涙でぼやけた視界に小さく水色頭が見えた
ノクト「・・・おま・・・」
カシャッ
ノクト「・・・・・・・・・・・え、なにしたん?今なにしたん?」
誉「何って、写メった(゜∇゜)」
ほら、と見せられた形態のディスプレイには顔に5本の引っ掻き傷が出来た間抜けな顔してる私が写っていた
ノクト「はぁぁぁぁぁああああ?!そこは優しく大丈夫かい?って助け起こすとこだろバッキャロー!消せ!」
バッと携帯を掴もうとしたら避けられた、アラ(゜д゜)
誉「ふふふ、そうしても良かったけどその顔見たら駄目だった(爆)」
ヒドイヨーコイツチモナミダモネーヨ
誉「あーぁ、それじゃ学園に戻ろうか」
差し伸べられた手。なんだよこいつ優しいところもあるじゃんか
ノクト「いや、その前に・・・・」
3番的の位置に立ってくれない?って言ったら折角差し伸べた手を引っ込めて、さっさと先に行ってしまった。
ちっ、やっぱり誉は優しくなんかなくて昆布でした
ノクト「あ、そう言えば翼の発明品回収しなくちゃな」
あと矢も・・・
***
よいしょっと矢を引っこ抜く。整備されてないグラウンドに刺さった矢は抜くのにちょっと力がいった。
そして翼の発明品を拾う
ノクト「どうやら壊れてないようだな、良かっ・・・」
ボフッ!
ノクト「ぶっ」
手に取った瞬間発明品から黒煙が噴出した。つっても上半身を覆うくらいの小さな煙だけど
もわわわーーん
煙が徐々に晴れていく。気になった私は髪の毛に手を伸ばした
ノクト「・・・・・・・・・うん、そうか」
ちりっちりだった、うん。
オマケに上半身だけ煤で汚れた。どこのギャグ漫画だよ・・・
***
ガラララ
月子「あ、お帰りなさ・・・・・・誰ですか」
ノクト「大幣ノクト、つっこの先輩です」
保健室に帰って来たら一番最初につっこにつっこまれた
翼「ぬあっはっはっはっはっは!真っ黒焦げになってるのだ~」
誰のせいだと思ってんだオイ
郁「ノクトちゃん・・・そのイメチェンはやめた方がいいよ」
お前の目は節穴かっ!どこがイメチェンだどこが!こんのモジャ!!
カシャッ
うぉ眩しっ!
誉「(爆)」
こいつ性懲りもなく・・・!(怒)
琥太郎「おい、いい加減にしないか」
ほ、星月先生・・・!もっと言ってやって下さい、こいつ等失礼にも程がありま・・・
琥太郎「煩くて眠れないじゃないか」
ですよねーーー(^ω^)
月子「先輩、先輩のお陰で猫を捕まえることが出来たんですよ」
でも翼君の発明品は持ってなくって・・・うん、それはねー
翼「ぬ?笑顔でこっち来てどうしたのだ?」
ノクト「翼、あの眼鏡また爆発とまではいかなかったけど、煙出して消滅した」
翼「(゜д゜)」
ぬががががががが、と意気消沈な翼はひとまず放っておく
ノクト「翼の発明品は壊れたとしてー宮地の賭けが見つかってないよね」
そうですよね~とつっこ。あーさっきあのまま追いかけてたら猫の根城まで行けて、そこで賭けも取り戻せたのだろうか・・・
ノクト「でも猫ってきまぐれって言うし・・・ぶつぶつ」
陽日「あ、あの大幣が考え事をしている!」
ノクト「失礼な!私だって考え事の1つや2つするわ!・・・・・・・・・・今何考えてたっけ」
ズゴッと私の周りの人がずっこける
直ちゃんのせいだぞ!今何考えてたか忘れちゃったじゃん!直ちゃんのイソギンチャク!!
陽日「何故にそこでイソギンチャク・・・」
地味に落ち込んだらしい直ちゃんの肩を誉がぽんっと叩く。
お前、海物コンビだからって同情してんのか?お前なんかもっとランク下げてやっからな!・・・ええと・・・・・・・・・・・・・また今度な!
と、ここへ着てぎゃいぎゃい騒いでたもんだから宮路とあずにゃんが目を覚ましたようだ!
宮地「・・・・・・・・・・・・・」
梓「・・・・・・・・・・・・」
なんかベッドにいるあずにゃんが宮地を上から見下ろしてる・・・!超見下してる!
宮地「・・・・・・・・」
梓「・・・・・・・・・」
今度は宮地が立ってあずにゃん見下ろしてる・・・!超見下してる!
ノクト「ちょちょちょ、待って待ってお2人さん!」
慌てて2人の間に割ってはいる。まったくもー仲良いんだから!
月子「そうだよ、今は喧嘩してる時じゃないでしょ」
私に続いてつっこも割り込んできた。
宮地「すまない」
梓「先輩に迷惑掛けてすみません」
・・・・・・・私が声掛けたときは無反応だったくせにこいつら・・・!
そこで5限目終了のタイムが鳴った
宮地の賭けは届けを出しておくから、今日はもう授業に戻りなさい
という星月先生の一言で今日は解散となった
***
ノクト「ふぁ~疲れたー」
保健室から教室に戻る道すがら
私は教室が同じ誉、方向が一緒の宮地と供に中庭に面している渡り廊下を歩いていた
宮地「先輩に協力してもらったのに結局見つけることが出来なくてすみません」
ノクト「いいって、いいって~。ほんとどこ持ってたんだろ・・・」
誉「ね、あれって賭けじゃないかな・・・」
私達より少し前を歩いていた誉が中庭に生えている遠くの木の根元を指差した
ノクト「あ、それっぽいかも」
宮地が走って確認をしにいく
しゃがみこんで、黒い物を手に戻ってきた
宮地「ありました!俺の賭けです!」
誉「でも泥まみれだね・・・」
ノクト「ですな・・・」
まぁ結局手元に戻って着て良かったではないか!はは・・・はははは・・・
宮地乙!
***☆***
これにて5話終了
その後猫には異常に警戒する癖の付いた宮地でした←
▽泥棒猫はみぃ子として郁に飼われることになった!