ショパコン3位に輝いたスペインの親日家若手ピアニスト。いよいよ
日本の民放「題名のない音楽会」で地デジ・デビューです!

ショパン演奏に新風を吹き込んだ、マルティン・ガルシア・ガルシア。
スペインでは母方の姓と父方の姓を併記するので、同姓のガルシア・
ガルシアとなるんだそうです。

ショパコンの審査員の多くも彼の魔術にかかってしまい、冷静に曲を
評価できなくなってしまったという位、独特の魅力的な演奏で聴衆を
魅了したのは、記憶に新しい処です。僕もネット音源とかで聴いてて
これは凄い演奏かもしれないと期待していたものの一つです。

ほぼ生音で聴ける地デジ録音だと、さすがに凄い音! FAZIORIの濃い
しっとりした響きにドライなラテン風の感性が被さり、これでもかと
歌い上げる彼独特の歌心。時折サタンの囁き?が聞こえてきたりする
のは 彼自身が発する唸り声。空耳でも 聴き手がマインドコントロール
されてしまった訳でもありません(笑)。

演奏中の唸り声というとグレン・グールドを思い出すのですけれど、
ガルシア・ガルシアは少し違っています。彼自身 自分の弾いている
音楽に没入してしまい現に我を忘れている状態なんです。それほど
までに音と音楽を愛して止まない気持ちの持ち主なのだと、改めて
驚かされます

バッハの前奏曲とフーガ、ショパンの猫のワルツと演奏した 次の曲
が圧巻のモンポウの歌と踊りです。ラ・ローチャの演奏が最高だと
今まで思っていましたけれど、この深い音色と豊かな表情には度肝を
抜かれました。単に物悲しいだけのドライなスペイン的情緒を普遍的
感情表現にまで昇華させていて、只々感動しかありません。

おまけのアンコール演奏は、ラフマニノフだったんですけれど、何か
スクリャービンでも聴いているような透明感で、これにも驚きました。
ラフマニノフの和声で余分な音の厚みを感じなかったのは初体験です!

やはり、彼は並みのピアニストではありませんね。今後の活躍を期待
しています。

P.S.
今回は、大昔ジュークボックスに使われていた米Magnavox15インチ
励磁カーブドコーン・スピーカーをフルレンジ試聴しました。活きた
音楽を情熱的に奏でる素晴らしいビンテージ・スピーカーの一つです。