ロコドルヲタは大きく3つのタイプに分類されます。
1)農耕民型:特定のアイドルグループまたはひとりの推しメンバーに固着するタイプで、ドルヲタの大部分を占める中核的存在です。
熱心なファンの場合、ライブやイベントには必ず参戦し、遠征にもしっかり付いて行くので、アイドルさんや運営にとってとても頼りがいのあるファン層となります。しかし一方では、身内だけの排他的な集団を形成し、新参者を排除したり、他グループのファンと対立したり、自分たちだけのカーストを作って規律を乱したり悪目立ちする構成員に制裁を加えたりする傾向も持ち合わせています。
このタイプのファンは何らかのきっかけで感情をこじらせると、粘着的なアンチに豹変する危険があります。
2)遊牧民型:ひとつのグループや特定のアイドルに固執することなく、あちらこちらの現場にやたらと顔を出すタイプです。行動が気まぐれなため、集客の対象としてはいまいち当てにならず、アイドルさんや運営からもあまり頼りにされませんが、面倒な関係を持ち込むことがあまりなく、後腐れがないのが取り柄です。
集団行動をすることが少なく、自分勝手に振る舞いがちですので現場の暗黙のルールを無視しがちですが、影響力が少ないのであまり問題にもされません。
短期間でいつの間にか現場から去って行ったり、終局的に特定のグループの固定ファンに落ち着いていく人が多いのですが、中には何年にも渡ってさまざまな現場を放浪し続け、地元アイドル界の生き字引のような存在になる人もあります。
3)狩猟民型:いわゆる「厄介」と呼ばれる連中でして、10名以下程度の小集団を形成して各現場を荒らし回り、方々で出禁をくらったりするのがこのタイプです。常に農耕民型ファンから目の敵にされていますが、本人たちはある現場に居づらくなったらすぐさま他の現場に流れて性懲りもなく同じようなトラブルを引き起こします。
このタイプは集団になるとやけに威勢がよくなりますが、ひとりになると妙に大人しくなってしまいます。個人的には割と純情な人が多いのですが、メンタル的な幼さが目立ちます。
アイドルグループの運営さんは、当然農耕民型ファンを最も大切にします。イベント開催時の集客規模の目安になり、頼まれもしないのに宣伝係を買って出てグループの知名度上昇に貢献してくれます。CDやグッズを出せば大量に購入し、課金イベントを行えば気前よく大金を投じてくれます。グループの下部構造を支えている人々ですから、当然上部構造も彼らによって規定されてくることになります。
その一方で、運営が彼らの中の一部の主だったファンと馴れ合ってしまうことにより、公正なグループ運営に支障をきたすこともしばしばです。常連客ばかり特別扱いしていると次第に視野が狭くなってくるのは、どの業種でも変わりありません。
典型的な失敗例として、運営が有力な常連客の推すメンバーを知らず知らずのうちに依怙贔屓してしまうことにより、他のメンバーたちが不公平な扱いに不満を抱き、グループ内の人間関係が険悪化してしまう場合があげられます。また、大部分を占める比較的ライトなファンは、特定のファンだけを重視する運営を嫌ってその現場から離れていく傾向があります。
結局の所、人間的成熟度の低い運営が公私をわきまえることができないと、自ら進んで失敗の原因を作ってしまうことがあるわけです。
農耕民型ファンは中心に数名程度、ファン歴が長く仲間の面倒見が良い優位ファンがおり、その周囲に優位ファンとの関係が良好で、ときには子分ないしは取り巻き的振る舞いをとる次席ファンがおり、最周縁にライトな一般ファンがいるという同心円構造を取ることがあります。その場合、優位ファンのキャラクターと器量の大小がファン集団の規模と雰囲気を決定しがちです。
優位ファンが親分肌で新参古参に関わらずに全てのファンにフレンドリーに接するとき、そのファン集団はとても雰囲気が良くなり、他のグループのファンや新参者たちからも敬愛されるようになります。一方、優位ファンが古参ぶりを鼻にかけ、常連づらして好き勝手に振る舞う場合もあり、そのようなファン集団は内部からも外部からも嫌厭されます。
農耕民型ファンの心理は、つねに仲間への愛着と潜在的ライバルへの競争心のはざまで揺れ動いています。同じグループのファンどうしであるという仲間意識が一体感を芽生えさせる一方で、現実には個々のファンは推しのアイドルの注目と愛情を競い合う関係にあるからです。ですからファンどうしが良好な関係を築いていくには、日頃は競争心を抑えて和やかな関係を保つのに腐心しなければならず、それが心理的負担となって現場から離れていく者も少なくありません。
ときには何らかのきっかけでその抑制が外れてしまい、ファンどうしの間で激しい敵意や嫉妬心が渦巻き、噂話やネットを通じて辛辣な批判と中傷が飛び交う場合もあります。
例えばファン集団の規模が比較的大きく、優位ファンがいくつかの派閥に分かれている場合など、特別なイベントや突発的なアクシデントを契機に互いが非難を浴びせ合い、どちらか一方の派閥に属するファンたちが現場から去っていくことも珍しくはありません。
そんなわけで、アイドルグループのファン集団に属することは、日常の人間関係とは一味違ったストレスにさらされることでもあり、いきおい集団の構成員はかなり流動的になりがちです。
贔屓のグループの勢いが上昇期にある時は、ライト層のファンが多数流入してきます。その場合一定の割合で人格的に未熟なファンが混入しますので、古参ファンにとっては現場の暗黙のルールを無視する彼らの存在が目障りになり、新参のファンにとっては自分勝手なルールを押し付けてくる古参ファンの振る舞いに不満をつのらせ、ファン集団の雰囲気が険悪になることがあります。一方、グループが衰退期に入り、ライトなファンが離れていくと、残った熱心なファンどうしの結束が強まり、現場の雰囲気がひじょうに良くなる場合もあります。

