11月22日、テスト勉強中に熱を出した。最高は7度8分。放課後の出来事だった。
空はすっかり日が暮れおまけに雨も降っていた。熱があるせいかその時の私は呼吸も浅く気怠かった。しかもぼんやりぎみであまり冷静ではなかった。ネクタイを忘れてしまったので職員室へ返しに行く。友人2人のAとHも一緒だ。それらを終えて私たちは教室へ戻る。だるくて泣き出しそうだった。頭の中はひたすら彼に会いたいとだけ考えていた。
2人の後ろをついて行った。階段を登り追えると彼がこちらに向かって歩いている。脳が歓喜を上げているのが分かる。HとAは私の方をちっとも気にしないで教室に入っていった。廊下には彼と私だけ。
すれ違う瞬間、彼は私の方を向いた。
「こんな遅くまで勉強してたの?」
今でも彼の言葉を思い出せる。私は自分の努力をあまり人に見せたくなかった。
「違いますよ。熱が出たので親を待ってるんです。」
嘘はスラスラと出てきた。私は立ち止まりながらそう言う。彼の足は私から離れようとしていた。
「え、熱あるの?熱??」
彼は私から目線を外しそう口ごもった。そうして再び私の方を向き熱があるの?と聞いた。
私は熱と気だるさから頭が回らなく、色々とキャパオーバーしていたのでお辞儀をして話しを切り上げた。今思えば失礼な事だったかもしれない。
そうして彼は背を向けて行ってしまった。