以前の記事『いい靴を選びましょ~』の治療的応用編です足。 ここで書いている通り、基本的には足底のアーチ(土踏まず)の隙間が埋まるような中敷きの靴が理想です

 しかしさらに運動連鎖としての足の機能を考えると、アーチを部分的に高めて、膝から上の関節の噛み合わせを操作することが可能です。骨のアライメントや関節の適合性が変わると、必然的に筋肉の収縮や緊張が変化しますので、歩容の改善や痛みの軽減が図れます

 例えば内側アーチを高めると、下腿は外旋し、Screw home movementの影響で膝が伸展しやすくなります。これは立脚初期~中期に有利な状態で、OAやRAなどで膝の伸展が不十分だったり、荷重時に膝痛が発生している場合に有効です

 逆に外側アーチを高めると、下腿は内旋し、膝が屈曲しやすくなります。これは立脚終期~遊脚期に有利な状態で、踵離地以降の膝の屈曲時に痛みがあったり、蹴り出しが不十分な場合に有効となります

 これらのアーチの調整は歩行分析によって行います。例えば前方から人間の歩行を観察すると、立脚期に支持脚の下腿は大腿に対して外旋してゆきます。ところが膝OAなどで下腿が内捻していると、外旋制限による膝障害が起きますので、内側アーチを足して誘導するわけです

 しかし単純にアーチパッドを入れれば改善するわけではなく、その前に足部や膝の機能(質的・量的な可動性)を徒手的に治療しておくことが条件となります。背臥位で両下肢を伸展した状態で、足底の内側アーチを押し上げると自然に下腿外旋が、外側アーチを押し上げると下腿内旋が自動的に起こり、その運動連鎖が体幹や頭部まで伝わってゆけばOK

 アーチパッドは中敷きの下に貼りますが、最近は100円均一にも安くで売っていますよね100円アーチパッドの適応を決める時は、まずテーピングでアーチを仮に拳上して歩行分析し、部位を見極めると良いと思います

アーチ 

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