最近嬉しいことに、SNSを通して質問を頂くことがあります。主に若い療法士や新人さんからですうへ 元々人に教えることが好きで教員をしてたくらいですので、喜んでお答えしてます

    で、せっかくですのでその回答を記事にしてゆこうと思います! ...っても、もう質問こないかもねにゃ

 1回目は呼吸理学療法について、特にそのリスクに関する質問を頂きました。検索ワードでも割と上位で、興味ある療法士は多いんですね 胸郭可動域運動や呼気・吸気筋群の筋力増強運動に関して注意すべき病態が3つあります。

 1つ目は肺癌患者さんで、癌性胸膜炎や癌性胸水を有する状態。腫瘍が臓側胸膜に進展・浸潤すると、胸膜の炎症と肥厚および胸水の貯留をきたすことがありますが、その胸郭を徒手的に治療(Mobilization)すると病態が悪化する可能性があります。しかし反対側の胸郭の治療は影響がありませんので、こちら側の治療(換気の改善)を図ります

 2つ目は特発性間質性肺炎の患者さんで、特に理学療法初期の段階で胸郭の可動性(拡張性)が急激に改善すると、間質の炎症が再燃する場合があります。もともとステロイドの使用で炎症反応が抑えられているだけですので、急激な肺胞間質の拡張と縮小は機械的刺激が強すぎる可能性もあり、初期治療は慎重に進めます(発熱や乾性咳嗽に注意)かたつむり

 3つ目は肺気腫の患者さんで、ブレブが多数箇所ある場合。肺気腫は肺胞と末梢気管支の破壊性病変で、その結果できる肺内の嚢胞をブラ、臓側胸膜直下にある嚢胞をブレブと言いますが、ブレブが多発している胸壁を強く刺激したり、急激な胸郭の拡張が起こると気胸を起こすリスクがあります。ブラやブレブは胸部CTで確認ができます

 これらの臨床経験は医師にはあまり理解されていません。専門が違うからです。また呼吸リハビリテーション関連の学会でもあまり議論されることはなく、研究は進んでいません。本来はこのような不適応や禁忌に関する事象は、もっと議論されるべきところなのですが、臨床と研究がまだまだ結合してないのが現状ですむっ

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