私は内科系の病医院に所属することが割と多かったものですから、患者さんの血液検査データを見る機会がよくありました もちろん専門教育を受けているわけではありませんので、あくまで自分の臨床の参考として確認しているだけです そこで難しいことは分かりませんが、レントゲンの見方に続いてPT的血液検査の見方を書こうと思います試験管まずは肝臓編。

 肝臓右上腹部にある人体最大の臓器で、胃腸から回ってきた血液を濾過し体循環に戻しています。主な機能は代謝(栄養素やビタミン生成)、物質の解毒胆汁の生成です。タンパク質を合成したり、黄疸の元となるビリルビンを代謝・排泄しています。

【検査項目と基準値】
AST(GOT):9~32 IU/ℓ 高値は急性~慢性肝炎、肝硬変、薬剤性肝障害
ALT(GPT):3~38 IU/ℓ 高値は急性~慢性肝炎、肝硬変、薬剤性肝障害
ALP:103~289 IU/ℓ 高値は急性~慢性肝炎、肝硬変、胆汁うっ滞
γ-GTP:男15~90 IU/ℓ、女8~68 IU/ℓ 高値はアルコール性・薬剤性肝障害
アンモニア:全血100~150 μg/dℓ 高値は劇症肝炎、肝性脳症等の重症肝障害
総タンパク:6.4~8.0g/dℓ 低値は急性肝炎、肝硬変。高値は慢性肝疾患
アルブミン:4~5g/dℓ、分画57~69% 低値は肝硬変、劇症肝炎
直接ビリルビン
:0.5mg/dℓ未満 高値は急性肝炎、非代償性肝硬変、胆汁うっ滞

 肝障害が起こり始めた患者さんは、まず倦怠感が強くなり、脈が速く血圧はやや低く推移する印象があります。手足などがわずかに浮腫み、手の震えや腹水、黄疸が目立ち始めます。そして意識がボンヤリとして異常な言動が出てきます。

 ですから他の理由なく倦怠感や頻脈があれば、すぐに運動負荷量を調整します。肝症状を悪化させる恐れがあるからです。実際にその日何かおかしいなと思って見ていた他療法士の患者さんが、翌日急激に悪化したことがありました。いかなる臨床徴候も見逃すな、ですね。

 あと、私は腰部の関節機能障害と腹部筋のスパズム治療を応用して便秘の治療をすることができますが、これは肝不全の患者さんにとって非常に大切で、腸内に便が停滞するとアンモニアが体内に吸収されることで、肝性脳症の要因となります。 
「とっても便秘な人ばかり」

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