一度は勝ちを確信しましたが、悔しい逆転負けを喫しました。

前回東京大会で採用された柔道男女混合団体戦。決勝で敗れたフランスに敵地でリベンジのまたとないチャンスを逃しました。見ている私たちも本当に悔しいですが、選手たちはこの銀メダルに誇りを持ってほしいです。相手に負けたというよりも、審判とイカサマルーレットに負けたと言っても良いでしょう。

決勝でフランスにリベンジしようと乗り込んだとは思いますが、２回戦で非常に苦しみました。３ー３の同点からの代表戦で高市選手が勝利して無事準々決勝進出を決めました。この試合には阿部詩選手も出場し、逆転勝ちを決めました。

準々決勝、準決勝を勝利し迎えたフランス戦。完全アウェーでの戦いでした。ましてや誤審続きの審判ですからね。その嫌な予感は的中しました。

初戦は男子−90kg級の村尾選手が快勝し幸先良いスタート。このあとフランスはエース級の選手を揃えているため、絶対に落とせない初戦でしたが、見事取ることができました。今大会の村尾選手の安定感はさすがでした。個人戦でも銀メダルを獲得し、団体戦でもチームを勢い付ける白星を挙げました。

２戦目は女子70kg超級の試合。日本は78kg超級の曽根選手が怪我で個人戦を棄権しましたので、−78kg級の高山選手が出場しました。相手は78kg超級の銅メダリストです。実力差、体重差ともにあり、厳しい戦いになることが予想されました。序盤から攻められ、体格差のある相手の攻めを受け続ける展開。指導も２つ来て後がなくなりましたが、ここからが始まりでした。上から潰されそうになるも堪え、これしかないという大内刈りで技あり。そのまま抑え込みに入りますが、逃げられます。一進一退の攻防を制し、殊勲の勝ちで２ー０でリードを広げます。この試合は心が震えました。このオリンピックで日本選手一番の試合だったかもしれません。

３戦目の90kg超級は斉藤立選手とリネール選手の戦いです。過去３度優勝のリネール選手相手に延長戦まで持ち込みましたが力負け。これからの選手である斎藤選手は健闘しましたが、まだまだ実力差があることを思い知らされました。

４戦目は−57kg級に個人戦−48kg級の角田選手が出場しました。以前−52kg級だった角田選手ですが、体格差は一目瞭然。しかし必殺の巴投げに賭けての起用が的中しました。２階級上の相手に巴投げで見事な一本勝ち。これで勝利に王手。審判はなぜ一本を宣告せずビデオ判定にしたのでしょうか。あれが一本でなければ何が一本なのかというほどの完璧な一本勝ちでした。そして最終的にこの勝ちで、角田選手が日本選手唯一今大会負けなしで終えることになりました。お見事！

５戦目は男子−73kg級に−66kg級金メダルの阿部一二三選手です。１階級上の選手と互角以上に戦いました。明らかに相手選手は技に入っておらず一二三選手の反則勝ちになる展開でしたが指導入らず。明らかに誤審です。階級が上の選手と試合をするのは非常に危険です。正直に言って、この試合は勝って団体金メダルを獲ってくれという思いではなく、絶対に怪我をしないでくれという思いで見ていました。

６戦目は女子−70kg級の高市選手。同じ階級の相手でしたが、延長戦の末惜敗。高市選手の起用は最重量級との兼ね合いや、２回戦での活躍があってのことでしょう。

そして運命の代表戦。−70kg級になることを願っていましたが、ルーレットでの抽選の結果、予想通り90kg超級に。斎藤選手は果敢に攻め主導権を握るも、延長戦の末敗れ、２大会連続の銀メダルとなりました。

私はこの団体戦は競技として採用すべきではないと思います。少なくとも現在のルールのままなのであれば。見ている側からすれば非常に面白く、見応えはあります。私も一番面白い日ではありました。しかし選手ファーストとは間違っても言えません。まず階級の幅が大きく競技として成立していません。１階級上の選手と試合をするのは非常に危険です。選手はほぼ体重が筋肉ですので、筋肉量が違いすぎます。怪我のリスクが非常に高く、怪我なく終えたのは奇跡だと思います。そして制度の欠陥が非常に大きいことも理由です。

私見ですが、これから団体戦を続けるのであれば、以下のルール改正を行なってほしいです。まず引き分けを認めること。団体戦ですので引き分けがあっても問題ないでしょう。ゴールデンスコアの延長戦を行ってまで勝敗を決する理由はないでしょう。特に偶数なのですから、引き分けがあった方が反対に差がつくはずです。また極限状態での試合は怪我のリスクが高まるためです。そして代表戦は抽選ではなく、引き分けの選手同士を当てることです。チーム戦なのですから、力の差が明らかな選手同士の試合を代表戦として行うことは、チーム力を競うことにはなりません。引き分けなし、引き分けが多数のみ抽選を行うべきです。そして最後が一番大きいのですが、その抽選をルーレットではなくくじ引きで行うことです。コンピューター上で行うことは不正の温床となります。今回も私は90kg超級になったのはイカサマだと感じています。いくらでも不正を行うことができます。４年前のアメリカ大統領選挙を思い出しました。このような場面ではアナログが勝ります。デジタルが絶対不正だとは言えないかもしれませんが、疑いの目があることは確かです。これだけは絶対に改善すべきです。

これで柔道の全ての試合が終わりましたが、お世辞にも良い大会だったとは言えません。誤審続きの審判、指導が不可解な審判、疑惑のルーレット。そして柔道が武道ではなくただのポイント稼ぎのスポーツに成り下がった感が否めません。特に審判についてはしっかりと検証を行い、次回大会以降同じようなことが絶対に起こらないようにしなければなりません。柔道がオリンピック競技として相応しい競技になりますように。

混合団体リベンジならず