雑感
ずっと昔に大好きだった本を引っ張り出して改めて読んだ時に、昔とずいぶん感想が違うことがある。
私には、とても顕著な作家が二人いる。
新田次郎氏。
山本周五郎氏。
新田氏は、フィクションがとても下手で、恋愛を絡めるとグズグズな展開の話になる。
とても気の強い女性が男性を振り回して、最終的にはその男性が亡くなってしまう。
後味の悪い話が多い。
ノンフィクションは素晴らしい筆致で、グイグイ話に引き込まれるのに、普通の小説に限ってはとても稚拙だ。
大好きで何冊も持っているけれど、読み返すのはやはり実話を基にした小説。
フィクションは女性に関しての描写がとても下手だな。そう感じる。
でも新田氏は、ノンフィクションに関してはとても緻密で繊細で、臨場感がある。
新田氏の小説に出会った頃は、新田氏の普通の小説の稚拙さに気づかなかった。
実話ベースの小説の凄さだけを追っていたから、その他のことはスルーしていたのだろうと思う。
改めて新田氏の本を繰り返し読むと、やはり実話ベースとフィクションの圧倒的な差に驚く。
もちろん、全てではない。
フィクションでも不思議で面白い話がいくつもある。
新田氏のフィクションの中で、ホラーめいた話はぞくぞくする。
今でも読み返したくない怖い話がいくつもある。
新田氏は、実話ベースの話と、山にまつわるとても怖い話。
これは文句なく面白い。
恋愛絡めた普通の小説は、いただけない。
山本周五郎氏は、昔読んだ時、とても感動した。
でも、今は???。
男尊女卑が鼻につく。
何故、初めて読んだ時に気づかなかったのか。
やはり、そういう時代だったからなのかな。
とても偏っている。そう思う。
時代小説が大好きな私が、山本周五郎氏の本は5冊ほどしか持っていない。
物語の中で語られる情景全てが、今現在ではちょっと受けつけられない。
たぶんこの先、山本周五郎氏の本を買い足すことはないと思います。
昔大好きだった作家に対して、熱が薄れてしまうのは悲しい。
年齢を重ねて自分が変わってしまったんだろうな。
