藤井みやび -5ページ目

鏡の焦点

蝉も終わりの陽炎が

乱反射する鏡の中

かくありきの殻だけ残して

 

ないものねだり 空の果て

受ける愛が強いくちびる

わざと視線を外す多さに

 

恋じゃない危なかっしさ

愛に近い古めかしさが

黒電話みたいな

ダイヤルを戻して

 

寂しげに座り込む薔薇

咲いていると思っていたよ

すんでのトコで正気に戻った

話を畳み掛けて

間合いを詰めるあどけなさは

遥か向こうの道の近く

飛び出してくる猫のように

 

図録の中で見た

夢オチみたいな迷路

何処に行けばいい

君が道案内をして

ここが分かれ道

 

身から出た錆って何色

どうしたことか恥さらして

男と女 それ以下それ以上

 

鮮やかな群生が

水槽の中 広がってく

遥か向こうに見えた近く

心から手が出るほどに

 

欲しいものはひとつ

甚だしくもまっすぐに

見た目よりもずっと

外した予想は当たる

ここが分かれ道

 

心から君を追い出す

なんてできない

始めるつもりも

終わらせるつもりもなくて

身の程知らずさ

僕の真下は真っ白で

鏡の中の君 僕を

焦げつかせてゆく

そこが分かれ道 

 

 

 [同じ雨]アレンジ詞