鏡の焦点
蝉も終わりの陽炎が
乱反射する鏡の中
かくありきの殻だけ残して
ないものねだり 空の果て
受ける愛が強いくちびる
わざと視線を外す多さに
恋じゃない危なかっしさ
愛に近い古めかしさが
黒電話みたいな
ダイヤルを戻して
寂しげに座り込む薔薇
咲いていると思っていたよ
すんでのトコで正気に戻った
話を畳み掛けて
間合いを詰めるあどけなさは
遥か向こうの道の近く
飛び出してくる猫のように
図録の中で見た
夢オチみたいな迷路
何処に行けばいい
君が道案内をして
ここが分かれ道
身から出た錆って何色
どうしたことか恥さらして
男と女 それ以下それ以上
鮮やかな群生が
水槽の中 広がってく
遥か向こうに見えた近く
心から手が出るほどに
欲しいものはひとつ
甚だしくもまっすぐに
見た目よりもずっと
外した予想は当たる
ここが分かれ道
心から君を追い出す
なんてできない
始めるつもりも
終わらせるつもりもなくて
身の程知らずさ
僕の真下は真っ白で
鏡の中の君 僕を
焦げつかせてゆく
そこが分かれ道
[同じ雨]アレンジ詞