●Xbox LIVEでいちばん熱いコーナー! 世界のインディーズ作品を独断と偏見で紹介!
▲インディーズなのでクオリティーは玉石混交。ゆえに商業ベースにはない個性的な作品に出会える場でもあるのだ。 |
ゲームファンであれば、誰もが一度は“一流ゲームクリエイター”を夢見るもの。ここで紹介する”Xbox LIVE インディーズ ゲーム”は、そんな夢を追い続けるアマチュアクリエイター(ときにはプロのクリエイターも!)が、日夜新作をリリースしているという、Xbox LIVEでもナンバーワンの更新頻度を誇るコーナーだ。ここでは、筆者の独断と偏見に基づいた注目作3タイトルをピックアップ!
今月はジャンプアクション、シューティング、レース&フライトの3タイトルをご紹介するぞ。
●オススメその1 ~エンタメに昇華された痛烈な皮肉~
タイトル:DLC Quest Live Freemium or Die
ジャンル:キャラクターアクション
製作元:Going Loud Studios
価格:80MSP
ソーシャルゲームなどで全盛を誇る“Freemium(基本プレイ無料)”をテーマにしたアクションアドベンチャー。前作『』も秀逸だったが、本作もGoing Loud Studiosらしい“皮肉とユーモア”でプレイヤーを楽しませてくれる。
ゲームの基本は、ステージのあちこちに落ちているお金を拾って“DLC(追加コンテンツ)”を購入していくこと。前作では、いきなり右にしか進めないという強烈なインパクトで爆笑させてくれたが、昨今の定番(?)どおり、本作は基本のアクションで金を取る(あくまでもゲーム中の話で、本当に“MSP”を支払うわけではない。念のため!)といったことはない。
ただ、そこはGoing Loud Studiosの作品につき「CHECKPOINT PACK(チェックポイントが使えます!)」、「DAY ONE PATCH PACK(ロード時間が短縮されます!)」、「PARTICLES PACK(歩くとき足元に埃のエフェクトが生じます!)」など、文字通り「しょーもねぇ!」DLCがてんこもり。登場人物との会話にも“らしい”センスがちりばめられている。
全編英語なので「英語は文字を見ただけで鳥肌が立つ!」といった人には不向きだが、単語さえ理解できれば多少苦手な人でも「これはアレに対するジョークなんだろうな」と理解できる範疇かと思われる。筆者も英語は大の苦手だが、本作は楽しみながらプレイすることができた。前作同様、何度もくり返しプレイできるタイプのゲームではないが、ゲームファンならぜひ一度プレイしていただきたい。
▲基本はジャンプアクションだが、テクニカルな操作が要求されるわけではない。本伽掀と猡郡盲驻辘违ⅴ丧佶螗隶悌`要素にある。 | ▲青い箱はDLCアイテム。獲得するとメッセージが表示されて新しいDLCが購入可能になるというが……。 |
▲あちこち探索して集めたコインの使い道がコレとは。いろいろな意味で本当にひどいとしか言いようがない。 | ▲海外ゲームをプレイしていないとわかりづらいが、そういった類の皮肉もチラホラ。 |
●オススメその2 ~ヘヴィメタルとゲームがジャストフィット!~
タイトル:Death Goat
ジャンル:シューティング
製作元:Nocturnal Studio
価格:240MSP
BGMにヘヴィメタルバンドの楽曲を多数収録した全方位シューティング。こうしたインディーズ作品で使われる楽曲は、“本人が演奏”あるいは“友だちのアマチュアバンドの音源”などが大半だが、本作はBetween The Buried And Me、God Forbid、Holy Grail 、Vanisher、Konkeror、Immortal Guardian、Lorelei and Ovid's Witheringといった新進気鋭の実力派バンドが楽曲を提供している。
ゲーム本編は、全方位シューティングとしてはよくあるタイプ。パワーアップアイテムやボムのバリエーションは最低限といった感じだが、おぞましいクリーチャーのデザインや血しぶきと残骸まみれのゴア表現がBGMとマッチして、単調ながらもけっこう楽しめる。ステージ、使用キャラクター、BGMを好きなように組み合わせて遊ぶことも可能だ。
難点は、せっかくキャラクターが選べるのに性能差がないこと。インディーズで240MSPという価格に逡巡する人も少なくなさそうだが、前述のバンドのサンプラーと思えば格安。体験版のプレイ時間は極めて短いが、わずかのプレイでも操作性などにピン! ときたものがあれば、購入を検討する価値は十分といえそうだ。
▲使用ステージ、キャラクター、BGMを好きなように組み合わせてプレイできる。ただしキャラクターの違いは外観だけ。 | ▲システムは極めてシンプルで、パワーアップやボムといった要素も最低限といった印象。操作性そのものは良好だ。 |
▲ゲームオーバーのリザルト画面。右側の画像は当然キャラクターごとに異なる。 | ▲音源情報が気になる人はクレジットを参照。各バンドのメンバーや公式サイトの情報などが閲覧できる。 |
●オススメその3 ~徹頭徹尾シュール~
タイトル:BomBomEngine
ジャンル:レース&フライト
製作元:Seama Rooky
価格:80MSP
まずは“Xbox LIVE インディーズ ゲーム”に記載された説明文を、そのまま転記したい。
--近未来最強レーシングバトル”ボォンボォンエンジン”の始まりだ。ライセンスを取得しレースに参戦します。数ある裏技を駆使し、目指せクラスチャンピオン。目指せキング オブ ボォンボォンエンジン。
RMT筆者はこれを読んだ瞬間、インディーズ系で久々に“言語中枢を素手であまにぎりされたかのようなヤバイ感覚”に襲われた(もちろん悪い意味ではなく、いい意味で。念のため!)。メッセージは英語と日本語が選択可能で、これはもう迷わず日本語を選んでいただきたい。
操作キャラクターは、つんつるてんの全身スーツにジェットパックを装備。造形のシュールさは説明不用の領域で、RTとLT同時押しで宇宙を飛んでいくシュールな姿は強烈のひとこと。ただ……もっと強烈なのがゲーム本編で、タイムアタックをクリアーしてC級ライセンスを取得し、レースに臨んだはいいが、CPUのライバルたちが「えっ? 俺、それできないんですけど!?」という亜空間独走状態。この、完璧なまでに突き放される感覚。本当に久々で、体の芯からしびれるものがある。
2011年9月ごろまで、TBSテレビ系列深夜に“あらびき団”というお笑い番組が放映されていたが、これをプレイした瞬間、筆者はふと、その番組のことを思い出した。恐ろしいまでに荒削りなのだが、そのなかにキラリと光るなにか。それは体験版からも十分伝わると思うので、気になる人はこの機会にぜひ一度お試しいただきたい。
▲英語と日本語が選べる。右側のプレイヤーキャラクターの造形にも注目してほしい。 | ▲コントロールを教えてくれる画面。左右トリガー同時入力で発進。 |
▲リングの中を潜り抜けていくのが基本ルールのようだが……ほかにも何かあるのだろうか? | ▲タイムアタックをクリアーしてやっとレースに参戦……が、モノスゴい勢いでぶっちぎられる。CPUキャラクターにはコースの概念がないのか……。 |
▲筆者が最高にツボだったのは、先輩あるいは教官らしきキャラクターのセリフ。よ~く見るとカツアゲされている様子に見えなくもない。 | ||
■著者紹介:豊臣和孝
フリーライター。月刊時代のファミ通Xbox 360誌よりファミ通.comにて実佶畅`ナー継続中。毎月3タイトルをピックアップしてご紹介が基本スタイル。完成された作品も美しいのですが、インディーズらしい破天荒な作品も増えてほしいなぁ、と日々願っております。
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