池が消えた!?池を丸ごと飲み込んでしまう陥没穴の正体は?(米オレゴン州)



陥没穴2


 中央オレゴンに横たわるカスケード山脈は火山群として知られており、数々の珍しい特徴を見ることができる。そのような中でも特に注目すべきは、フードゥー・スキーエリアの側を走る国道20号線の外れにある湖だ。その中には、ぽっかりと大穴が開いている。

 この穴が池の水を飲み込み、池を消してしまうのだ。この現象は「ロスト・レイク」と呼ばれ、毎年この時期に必ず起きるという。


Lava tube draining Lost Lake


 湖の北側には直径1.8mほどの大穴が口を開けており、その中へ水が流れ込んでいき、池の水をどんどん飲み込んでいく。

 ウィラメッテ国立森林公園の広報官ジュード・マキューさんによれば、この大穴は溶岩洞の為にできたものだそうだが、誰も思い出せないくらい昔からそこにあったという。


陥没穴1



 溶岩洞は、流れる溶岩の表面が冷えて固まった後も、冷え切っていない内部が流れ続けたときに形成される。内部の溶岩が固まる前に流れ切ってしまえば、そこにはトンネル状の構造が残されるため、崩落や侵食によって上空へ向け穴が開くことがある。

 この水はどこに消えていくのだろう?

 マキューさんの話では、穴の内部に流れ込んだ水がどこかで外へ出ているのかどうかは不明であるが、多孔性の地下層に染み込み、カスケード山脈両脇にある湧泉の源となる巨大な帯水層に流れ込んでいる可能性が濃厚だという。


陥没穴2


 また、同様の穴はロストレイクから西に数キロ離れた地点にあるフィッシュレイクにもあるそうだ。どちらも、冬には排水以上の水が流れ込むため水位が増加するが、やがて乾いて草原になるという、同じような季節サイクルを持っている。

 ここ数年、ロストレイクの穴を塞ぐ行為が無許可で行われているようだ。流れを堰き止めるために投棄されたと思われる車の部品やエンジンといった破片が、穴の中から森林局員によって発見されている。

 仮に穴が詰まってしまえば、湖が氾濫して、道路に浸水する恐れもあるため、絶対に止めて欲しいとのことだ。



<カラパイア 記事より>







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