特定の口腔癌はタバコを吸わない非喫煙者の割合が高くなることが判明(オーストラリア研究)




 最新の研究によって、喫煙者と非喫煙者が罹患する癌の種類は異なることが判明したそうだ。喫煙者の口腔がん発生率は非喫煙者に比べ約7倍も高いという報告もあるが、オーストラリアの研究によると、舌の辺縁部にできる癌に関しては喫煙者より非喫煙者のほうが発症率が高いことがわかったという。さらに女性の非喫煙者に関しては、口腔扁平上皮癌の発生率も高いことが明らかとなったそうだ。


 これまでの研究では、頭部および頸部の扁平上皮癌のリスク因子として、喫煙、飲酒、梅毒、香辛料(spices)、鋭い歯(sharp teeth)の”5S”が挙げられていた。これに加えて免疫抑制やダイエットも口腔癌のリスクを高めていることも要因の一つして考えられていた。

 この研究はオーストラリア、ブリスベンのプリンセス・アレクサンドラ病院の研究者ブレンダン・ペリー氏らが724名の患者を対象に実施したものである。対象者のうち、334名は口腔咽頭癌、390名は口腔癌の患者だった。



 口腔咽頭癌患者については、生涯に渡って喫煙習慣があった人は48名、現在も喫煙習慣がある人は266名、以前喫煙習慣があった人は20名であった。

 口腔癌患者においは、非喫煙者は87名、現在は喫煙習慣がある人は276名、以前喫煙習慣があった人は27名であった。

 口腔咽頭癌患者と口腔癌患者の診断時の平均年齢は、それぞれ60歳と62歳である。またどちらの癌でも男性のほうが罹患する確率が高い。


 喫煙はあきらかなリスク因子となっていることには間違いないが、特定の口腔癌に関しては、外部刺激が原因の多くを占め、それは非喫煙者に顕著であるということがわかった。タバコよりも別のリスク因子が絡んでいるということだ。今回の研究では、慢性的な歯科外傷も発ガン率を高める可能性を示唆している。






<カラパイア 記事より>



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