事件は目の前で起きていたのに・・・人間の記憶がいかに曖昧なのかがわかる衝撃の社会実験「犯人をさがせ!」



記憶1


 たった今、事件は目の前で起きた。ワールド・サイエンス・フェスティバルのイベント会場では「正義の科学」というテーマでディスカッションが行われていた。大勢の観客が舞台上のパネリストたちに注目しているその時、心理学者のソール・カッシン氏が手にしていたiPadが何者かによってひったくられるという事件が発生。

 その後6人の容疑者の顔写真が上げられ、観客らに、その中から犯人を選べという指示が与えられた。事件が起きたのはほんの少し前、しかも目の前でだ。観客らは犯人を割り出すことができたのだろうか?


A Roomful Of People Condemn 5 Innocent Men



 事件は目の前で起きた。カッシン氏のiPadをひったくる男性
記憶2


 その後6人の容疑者の顔写真が提示され、観客らはここから犯人を選ぶように指示される(服装は考慮に入れないよう告げられる)。投票は自分のスマートフォンから行われた。その結果・・・



記憶3


 かなり意見がばらけたようだ。確信をもって選んだ人も、何の気なしに選んだ人もいるだろう。だが注目すべきは、ここにあげた6人のうち5人は何の罪もない人々だということである。

 21.7%と高い確率で選ばれた4番目の男性はこの会場のカメラマンだった。
記憶4



正解は5番目の人物である。正解率は17.4%だ。
記憶5


 動画の最後はこのようなキャプションで結ばれている。

DNA検査により覆された239件の有罪判決のうち、78%は目撃証言に基づいて逮捕、起訴された事件である。

 冤罪の多くが、あいまいな目撃情報によって作り出されているのを認識するには格好の実験結果となったようだ。犯人を見つけるためには目撃情報は有力な手がかりの1つであるが、十分な裏づけをとらないと、無実の人の人生を狂わせてしまうことになる。人間の記憶があまりあてにならないということ、一度こうだと決めつけてしまうとそのように記憶が書き換えられてしまうということを肝に銘じておきたいものだ。





<カラパイア 記事より>







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