かなり重大な内容。
けっこう前の事だけど、がっちゃん、たいくん、しゅんくん、かわちー、すがわら、じゅんや、にったと千葉で飲んだ
この日十六文キックはたいくんとしゅんくんを正式メンバーとして迎え 結成以来初の全員正規メンバーがそろう事になった
この2人は蛇希というバンドで活動していた
初めて見たときは素直に衝撃を受けた
たいくんは正にベーシストと言わんばかりの外見を持っていて
ステージ上でもそれを遺憾なく発揮していた
手腕もそれに比例していてとても良い低音を奏でていた
俺は「天は彼に二物を与えた代償として彼の顔を常人の倍くらい面長にしちゃったんだな」と思った
そしてしゅんくんはドラマーの鏡とも呼べる存在であると思う
ライブ前はもちろん、プライベートまでいつも入念にリズム感を鍛えている
ドラマーの真髄はブラストビートの速さでもスティックをクルクルする事でもなく、なんと言っても基礎を鍛えることだと思っている
ちなみに昔元カノに「ドラムやりたいんだけど良い先生みたいな人いる?」と聞かれしゅんくんを勧めたら「千葉までいくのめんどい」と一蹴された
前々からがっちゃんが彼らをメンバーにしたいと熱望していることを聞かされていた僕は飲み会の日、ライブ前の控え室のような胸の高鳴りを感じていた
がっちゃんとは高校からの付き合いでかれこれ7年の付き合いになる
彼は芯が通った性格で人に流されず人の支配に屈しない人間だが、それでも人に好かれるやつだ
彼とは最初は互いに「あいつなんか腹立つ」と思い 一度も口を聞いたことが無かった(がっちゃんもそう言ってた)
だが2年生になってクラス替えになり、まだ教室全体がぎこちない雰囲気のなか、「ねぇ何か喋ろう?」と話しかけてきたのががっちゃんだった
それから気付いたらいつも一緒にいた
まぁ話しは戻るけどとにかく彼は我が強い
そんな彼が「たいくんとしゅんくんに土下座して十六文キックに入ってもらうように頼むつもりでいる」と言ったときは自分の耳を疑った
そしてその時は俺もしっかりサポートするよって感じのことを言ったら「いや、それはいいよ」と軽くあしらわれ、俺は愕然とした
「余計な事をするなデブ」とも受け取れるが「俺にまかせて中本は安心しなさい」と解釈した
きっとそうに違いない
今もそういった意味だったと信じている
当日、数名遅刻したが無事に全員揃って楽しく飲んだ
名目は飲み会だが真の意は勧誘
がっちゃんも俺も機会を虎視眈々と狙っていたが
気付いたら俺とにった(女性)とじゅんや(同級生)の3人
他の5人という2つの組分けになっていた
俺はまるで谷底に落ちるときのような独特な心臓の感触を味わった
しかし「俺にまかせろ 中本は安心して構えていろ」という(ニュアンスの)言葉を思い出し
がっちゃんにまかせることにした
ちらちらと聞こえる向こうのグループの「十六文に」とか「入ってもらいたい」とかの言葉が聞こえる度に、俺は向こうに行ったほうがいいんじゃないか?いや、行くべきだ、でもタイミングクソ悪いなどと葛藤しながらカルーアミルクを飲んでいた
そしてしばらくして、たぶんちょうど俺がにった(女性)に「ねぇねぇ おまんちんって言ってごらん?ほら、言ってごらん?」とか言ってるときにがっちゃんから「なかもとー!」と呼ばれ、2人が正式に加入した事を告げられた
「おれらが大事な話してるときに中本はなにしてたんだー!」って言われたけど そのとき俺は心の中で「やっぱり信じててよかったぜ☆」「まかせとけよ中本☆」「頑張ろうぜ☆」「へへっ☆」と架空のキラキラした4人の会話を小田和正の「言葉にできない」をBGMにして再生していた
そうして
ひし形手長猿(がっちゃん)
顔面長距離走(たいくん)
下ネタベルトコンベアー(しゅんくん)
中本
の4人でやっていきます
よろしくお願いいたします