連休後、初めての休日前夜です。

今週はとても忙しく、また家族の病気などもあり、疲れが取れない日々が続きます。

 

さて、表題の円銀M41。

 

今月頭の銀座特売で、MS63が41万で売り出され、即売り切れました。

 

大分前から新橋C.で30万で出ていましたが中々売れず。

当たり前ですが、高い!

M41年の新円銀は特年ですが、MS63といえども良く行って20万前後であろうとの考えが皆さんあるであろうところ。

それ故に、売れなかったのだと思いますが、例の買い占め集団に持って行かれる危険が有り、また、コイン商での売り出し価格が40万を超えてきましたので、ココで入手しておかなければ、もう自分が生きている間に日本では手に入らなくなるとの考えから、新橋Cにて購入することにしました。

 

新1円銀貨(小型) 明治41年

Nikon D850.  MicroNikkor60mm

 

実際に手に入れてみて、詳細な写真にて確認してみると、これは驚きですね。

まず、自分が持っている(見たことがある)円銀は、裸も含めて、

M16、18、26、30,34,36、39年ですが、

こんなに、モヤモヤの円銀があるとは!

表現力が乏しくて申し訳ありません。

他の円銀は大型のものと貿易銀は、元々プルーフ用の極印があって、その後量産に使って、キャラクターははめ込みでのようなイメージ。従って、

竜も文字も、菊紋、左右の葉もカクカク尖っており、盤面はプルーフ様。

小型は、ラスターが効いており、図柄は平ぺったく、盤面はモヤモヤしていて中心部が若干くぼんでいる。

しかし、この41年は、盤面はぼそぼそに細かいエクボがあり、馬歯から2,3mm内側まで円周に沿って捻れたような筋が付いています。

これは何ぞ?ギザ付ける際にグルグル高速回転させるとして、熱し過ぎたコインが捻れてこうなったのでしょうか?

若しくは圧印する際に捻れたのか?

竜の顔の辺りや、「一圓」の文字は深くしっかり圧印されていますが、菊紋面の葉や、菊紋は圧印不足と、目詰まりが見て取れます。

円銀の泣き所がとてもキレイな固体です。MS64でも良さそうな感じですが、

圧印不足、葉や菊紋の目詰まりが見栄え点減点でランクを下げたかもしれませんね。

 

この年の円銀は、明治の良くある海外流出や鋳つぶしでは無く、

製造数が少ないのですが、この荒いというか、いい加減というか、生っぽい円銀に仕上がっていますね。

何か理由があるのかもしれません。

 

明治40年〜は、日露戦争が終わり、軍備拡大と補充が進められました。

この年は戦争後の恐慌状態にあり、物価が大きく下落、対外貿易も落ち込んでおり、高額貨幣の製造も減らさざるを得なかったのかもしれません。

円形を磨く作業を省いたかもしれませんね。

そんな年に、ピカピカのキレイな円銀を丁寧に作る気力が無かったとも思えます。

 

「日本の近代銀貨 ー1円銀貨の部第2版ー」によると、

”〜深刻な円銀不足に対応するための貿易決済用円銀の発行(M34〜T3)を実施した。補完的な発行数に極力極印制作に手間が掛からないようにするため、使用する極印種を最小限にしようとした努力が感じ取れる”

とあります。

 

年号収集は諦めていますが、

多年にわたって製造されているコイン。

やはりこうした違いがあって、飽きることがありませんね。

面白い!