位置づけ
・嫌われる勇気で有名になった岸見一郎さんのリーダーシップ論
・アドラー心理学を基本としつつ、本人の体験や、質疑応答を中心とした構成
・勇気を持たせ、幸せに働くことを目的としている。褒めもしないし、怒りもしない、ただありのままを受け入れることを重要と解いている。


概要
・リーダーの仕事は組織の犠牲になることではなく貢献すること。表だって認められること、賞賛されるのは望ましくない。
・つらい思いは辞める決心をするために作り出しているということであり、リーダーを続けたくないという思いが先にある。それ以外のことはすべてこの思いを正当化している。
・部下の成績が上がらない、あるいは失敗を重ねるという事態が起こった時、これは一体誰の課題でしょうか。理論的にいうと、部下の課題。しかし、企業では部下が失敗することは、組織全体にとってデメリットであることは間違いなく、こちらから積極的に働きかけていくしかない。「上司である私に責任がある。上司の指導こそ問題だ」と考え、上司の課題と見なければならない。
・嫌われる勇気は上司の顔色を見ていうべきことをいえない部下にこそ必要。上司がこの勇気を振りかざしてはいけないのです。もちろん必要なことを部下に嫌われたくないためにいわないのは問題だが、上司が部下から嫌われているとすれば、部下への対応に問題があるから。会社にとって本当に必要なことであれば、きちんと説明すれば理解されるはず、説明できないことは上司の力不足。
上司は、自分を棚に上げてはいけない。部下のせいにしてはいけない。どんな部下であっても、「私に何かできることがあるのではないか」と考えなければいけない。
・上司が部下に自分の思いを実行して欲しければ叱る必要は全くない。上司が大きな声を出すのはただ部下に言うことを聞かせたいから。
・上司と部下は上下関係でなく対等な関係であるべき。叱ると心理的な距離が遠くなる。知識も経験もない人に援助が必要ならはずなのに、絶望的に不可能になってしまう。命令形を使わないで、お願いする形にする。
・叱ると怒るは区別できない。
・十分仕事ができていない部下に対しても、ハードルの低い「ありがとう」から始める

感想
・嫌われる勇気は読んでアドラー心理学の考えを理解したうえで行動しているつもりでも、自分が部下と接する時に、実践できていなかったことを理解させられる本だった。
・本書でも最後に、行動することが非常に難しいと書かれている
・ありがとうと言い、感情的にならない。部下のせいにせず、上司として貢献していることに感謝し、成長の働きかけをする、明日からまた徹底していきたい。