アネモネの咲く風の谷
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サイト移転

やっぱり夢で書きたいということで……

サイトを立ち上げました


こちらに書いてたのはまだup出来ていないのですが…
近いうちには上げたいと思っています


よかったらおいで下さい

EgoiStic Katze
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【アイラ】腐ったピザの下からの脱出

ここはスラム

私はアイラ

私がどんなにもがいても

ここからは出られない

そう思ってた



路地裏 座り込む少女とも女とも言えないアイラの前を人より獣に近い目をした者達が通る.そのうちの何人かはアイラの前で足を止め舐め回すようにアイラを見て品定めをする.そして大抵の者は舌打ちをして去って行く.アイラがそいつらの希望にかなわなかったわけではない.アイラに声をかけその目を見たからだ.
アイラの目は赤い.その目に光が宿っていれば美しいだろう.しかし今その目には光はない.光がない赤い目はまるで悪魔のそれのように見える.そんな目をしたアイラに「消えろ」と言われれば声をかけた奴等の気持ちも萎える.
アイラの目に光があったころ.幼い頃だった.幸せだった.しかし今のアイラにそんな記憶はない.アイラはスラムで育った.周りは成長した後のアイラを自らの玩具として得るため世話をした.が今そいつらはいない.アイラが殺した.「消えろ」はアイラからの最終警告だ.これを言われてもアイラの前にいれば...

アイラは今一日の大抵をこうして過ごす.わかっているからだ.こうするのが最善だと.



〈この世界はどうしてこうも醜いの?....光の届かないここでもこうも醜いのに...ここから出たらどれほど〉
「ねぇ、君」
〈.....なにこの男...スーツなんか着て...女でも買いに来たの...〉
「なんで君には誰も話しかけないの?こんなにかわいいのに」
「消えろ」
アイラは得意な言葉を吐き男をみた
「綺麗な目だね」
「はぁ??」
「赤くてとても綺麗だ」
「お前バカだな.」
そう告げるとアイラはナイフを男の首に当てた.
しかし
「ダメだよ.女の子がそんな言葉使っちゃ」
男はそう言いながらナイフを掴みアイラから奪った.
「お前バカ?」
男は笑いながら言う
「だ.か.ら.そんな言葉使わない!」
〈手血まみれ.....こいつなんなの?〉
「ねぇ.君名前なんて言うの?」
男はまったく怖けずにアイラにきく.
「.......アイラ」
周りの奴等からの視線が男にそそがれる.当たり前だ.アイラがこんなに会話をしたのも名を教えたのも初めてだったのだから.
「かわいいね.とってもかわいい」
男はアイラに笑い掛けながら言う
「お前の名前...」
「クリスって言うんだ」
アイラは驚きおとなしくなる.スラムの女に名前を教えるなんて考えられないことだから.
「ク..リ...ス...」
「そぅクリス.....とある会社の人事を任されてる」
「人事?」
「うん.今ちょっと特殊なとこに欠員が出て探してるんだぴったりな人を」
「なんでこんなとこ...スラムになんか来たんだ」
「ほらほらアイラちゃん.女の子でしょ?」
「....なんでスラムに来た..の?」
満足げな顔をしてアイラの頭を撫でる.
「任務によっては死ぬこともあるから.ここのが都合がいいんだ.」
「へぇ.....おれに....私に声をかけたってことは...」
クリスはアイラを撫でながら
「そぅ....アイラちゃんにうちの会社に来て欲しい」
「なんで私なの?」
「アイラちゃん.....やっぱり隠してただけだったんだね.そういう言葉遣い」
「うるさい!!ここでこんな言葉遣いしてたらあいつらに...」
周りの奴等を見ると目に異常な輝きを抱きアイラを見ている.
〈ここでこいつ..クリスがいなくなったら...ヤられる〉
「顔が真っ青だよ.大丈夫?」
「うん....雇ってくれ!なんでもやるから!」
「雇ってくれ??」
からかうように言う
「雇ってくれ...ない?」
「あぁもちろんだ.」



その日アイラの世界は一変した.
クリスはアイラを路地裏から連れ出し車に連れて行くと運転手の男が出て来た.慣れているのだろう.驚きもせず「まぁ上玉なほうか...この状態じゃよくわかりゃしないがな」とだけ言い車に戻った.睨もうとするアイラの視界を遮りクリスはアイラを車に乗せ話し始めた.
「まず.雇う前に君を社長に会わせなければならない」
「ぁあ...誰にでも会う..よ?..」
付け足すように女らしく話すアイラ.
そんな姿を微笑ましく見つめるクリスだが
「まず...普通のその年頃の女の子らしくならないとダメだね」
「仕事するにはそんなの邪魔だろ...邪魔じゃない?」
クリスはアイラが言葉を直す度に満足げに笑う.
「邪魔なんかじゃないよ.むしろそれが欲しいんだ.」
「女らしさが?」
「あぁじゃなきゃ君に声はかけない.だろ?」
「まぁそうだ..ね...」
「君にはまず悪魔のようになってもらわなきゃいけない.」
「悪魔のように人を無慈悲に殺せばいいの?」
「いや...まぁそれもやってもらうけど.悪魔のように人を操って欲しい.」
「それと女らしさは関係ある..の?」
「あぁ.君なら力でなく言葉やしぐさでどんな人でも操ることが出来るようになるよ」「へぇ...」
アイラは無関心そうに答える.
「そのためにはまず.....」





「クリスさん.私いつまでここでこんなバカな....こんな当たり前なことを続けないといけないんですか?」
クリスは笑いながら答える
「そういう風にボロが出なくなるまで」
「気をつければもぅ大丈夫です.」
「現場で君が気をつけるのは相手の行動だ.でないと死ぬよ?」
「死ぬ.....」
「ぁあ...間違なくな」
「わかったよ!!やればいいんだろ.やれば」
「やっぱり君はいい子だ」
「はぁ??....」
「いい子だから頑張って」
クリスは手慣れたようにアイラを扱う
「クリスの方が悪魔みたいだ....」







「久し振りアイラちゃん」
クリスに駆け寄るアイラ
「あっ...お久し振りです.クリスさん」
「もうそろそろいい頃かと思ってきたんだが.....ここだけじゃ足りないみたいだな」
「えっ....私クリスさんに言われたように......」
「それじゃぁ天使じゃないか...」
「天使なんか.....私がなれるわけ....」
「私が来たとき...なぜ誘惑しようとしなかったんだ......」
「誘惑?」
「性格まで変わって....まだ前の方がよかった!失敗...か」
「........」
「私としたことが....こんな逸材を...」
「.....なにブツブツいってんだ?私は私...性格なんてそう簡単に変わるもんじゃない」



―――to be continue

後書...
本来はオリジナルで書く気だったんですが...なんか..ね....まぁぃいんだけど
ということで...FF7関連の小説となります..