毒と毒姫⑩
暗い。数歩先は闇の中だ。
灯りを持っているのは、先導する雷雷だけ。高圧電線の先からばちばちと音を立てる火花。なんとも物騒な照明だ。その火の粉が落ちる先を見ると、明らかに赤い絨毯の上に落ちている。にもかかわらず、絨毯には焦げ跡ひとつすらつかない。
いや、火花も所詮魔法か。それどころか、俺たちを包み込む世界さえ魔法かもしれない。科学的な矛盾を探したところで空しいだけだ。
心もとない視界。こっちは足元を一歩一歩確認するだけで精いっぱいだ。ところが雷雷は、この暗闇の中をずかずかと進んでいく。
「あ、あの……」
「なんだ? むっつり」
「どこに行くかとか分かってるのか」
「いいや。手当たり次第だ。こっちには怖気づいているヒマはないからな」
そんな答えを言えるなんて。安奈は俺を襲ってきた張本人だし、雷雷や三井名はその仲間だ。なら信用は置けないはずだが。明日華に対してここまでの想いを寄せる三人を、そうも悪い人とは見れなくなってきた。ちなみに俺の呼び名の訂正はもう諦めた。
――――それにしても広い。いったいどれほどの敷地の屋敷なのだろう。石造りの壁に左手をつきながら先を進むと、途中のところで左手がつく先を失って俺はバランスを崩した。
「おわぁっ!」
身体は大きく左右に揺れたが、何とか倒れずに済んだ。しかし、大きな声が出てしまった。先導の三人から俺に冷たい視線が投げかけられる。
左手をつこうとしたところはちょうど部屋の入り口となっていた。
「おい。そこに誰かいるのか」
男の声が部屋の奥から聞こえた。まずい。俺は三人とともに、柱の陰に身を潜めた。しばらくするとローブを羽織った男が出てきた。部屋の中だというのにフードを被っており、視界は狭いだろう。数度首を振っただけでは死角には気づかない。男はそのまま部屋の中へと戻っていった。
「あいつ、ここで何かしているのか」
雷雷がひそひそと漏らす。しかし、そんなものこの場にいる誰も知るはずがない。だけど、もしかしたら何らかの手掛かりにはなるかもしれない。淡い期待を寄せて聞き耳を立てた。
「あなた。誰かいた?」
「大丈夫だ」
中では夫婦と思わしきふたりが会話をしているようだった。
やけに会話の内容がはっきりと聞こえる。
「スカーレットに聞かれていないでしょうね。あのコに知れたらと思うと私は……」
女が胸を痛めるような声を出す。
「何を憶することがある。これは立派な研究だろ。それに研究にかかる莫大な費用を賄うためには政府からの補助が必要だ。これを完成させれば、飛びつかないものはいない」
「――――命を創る魔法。人間の完全なる意思と身体を持つレプリカ。ホムンクルスの創成」
女が発した言葉にハッとなった。
命を創る魔法。自分は一度死んでいて、蘇生魔法によって生き返ったと聞かされた。そして、自分が今行動を共にしているのは、ナイトウォーカー。魔力によって創られた人造人間、レプリカだ。
「ここは、あたしたちを生み出した魔法ができた時代ってこと?」
雷雷のその声には、自分を生み出したということに対する母性を感じた心と、自分を凄惨な境遇に産み落としたことを憎む心が共存していた。
俺もまだ、その魔法を慈しむべきか憎むべきか分からないでいる。
「工程は分かっているな」
「猫には九つの魂がある。その力を借りる。特に魔力の高いとされる黒猫を九匹集める」
女は感情を殺したようにレプリカの創生魔法の手順を唱え始めた。
「黒猫を集めて何をするんだ?」
「さあ、もふもふするんじゃない」
「それはお前がやりたいだけだろ」
軽くあしらわれる安奈。
「ちがうわよ。猫耳を引きちぎってメイドさんに着けるのよ」
「お前はツッコむのめんどくせえよ!」
もっと手荒にあしらわれる三井名。
この三人は真面目なんだか不真面目なんだか、よく分からない。俺を襲ってきたときや、ここで顔を合わせたときは、敵意を向けてきていたのに。今では俺の横でわいわいと仲良くやっている。こんな連中に拾われて、こんな連中に大切にされている明日華。俺がここで一緒に探してやることが明日華への恩返しになるなら。そんなことを一瞬考えたけれど、そのすべては真っ白に塗り替えられた。
「九匹の猫たちを、磨り潰す」
女が抑揚のない声で唱えた工程の一節。
聞き間違いだろうか。
「動物から魔素を抽出する際は、その動物が断末魔を上げることができる状態でできるだけ丹念に行うこと。断末魔に込められた、死に対する拒絶本能は魔素として大変利用価値が高い。従って、既に死んでしまった死体を使うことは言語道断であり、麻酔をかけることも許されない。必ず生きて動いている状態から、磨り潰すこと。
その動物を一思いに殺しもいけない。何度も刃を刺し、肉と骨を刻むこと。硬い頭蓋や脊椎などは金槌を使って砕くこと。息があるうちに頭蓋と脊椎を砕くことが大事。それから臓器をひとつずつ取り出し、採取した肉、血、毛皮とともにすり鉢に流し込む。それらを原型がなくなるまで磨り潰す。
ペースト状となった肉塊をさらに大鍋で加熱し、固形物がなくなり、全体が流動性を持つまで水を足しながら煮出す。最後に大鍋の中身を絹でこしとり、しみ出してきた汁を採取。
これが動物から、魔素を採取する方法」
工程を想像するだけで胃の中から黄色いものが上がってくる。
なんと気持ちが悪い話なんだ。さらに、それを語るときの声が、黒髪の美月の抑揚のない声に瓜二つだった。なおさら嘔吐きが強まる。
「――――聞いたことはあるわ。もう、それをやることは少なくなったけど」
雷雷が発した言葉に耳を疑う。
「そうなのか……」
「薬をつくるときは、薬草を磨り潰すでしょ。魔導植物から魔素、魔力のもととなるものを採るときも同じ工程を踏むわ」
三井名の説明でどこか納得がいきかけたけれど、動物をそれも生きた状態のまま磨り潰すと言うのか。それに、工程の最初に黒猫を九匹集めると言った。じゃあ、魔素を採るために磨り潰されるのは、その――――
「む……りよ……。無理よっ」
部屋の中ですすり泣くような女の声が響いた。
「無理とは何がだ」
それを諭すような男の声が続く。
「だって、今朝スカーレットが言ったじゃない。命を創る魔法のために、猫の命を粗末にするなんて、それならそんな魔法いらないって。命を創る魔法を創ったら、それこそ命を大切にしなくなるって。あのコは、私たちが今から殺す猫たちを可愛がっているのよ!」
乾いた音が響いて、そのあと人が倒れる鈍い音が鳴った。
頬が打たれて空気が奏でた音。その衝撃に床に倒れこんだ音。
「それがどうした。生半可な道徳心など捨ててしまえ! この魔法で何百人もの人が生まれ、何千人が救われ、国家いや、すべての人類の発展が約束されるかも知れないんだぞ! それを捨ててお前は人類よりも下等な生き物を贔屓するのかっ」
「あのコが止めてって言ったのよ! あのコがもう動物たちを魔法に使わないでって! 私たちはあのコの親なのよ。親が子供の願いを見失ってど――――」
今度は鈍く重たい音がした。人の身体を蹴ったような音だ。
「たかが幼子の戯言がどうした? それも魔導の研究は人類の発展のためだけではない。子を養い、魔導を継承するためでもある。それを止めてどうやって子を養うというのだ」
「他にきっと……方法はあるはずよ。私たちがあのコの願いを守って生きていく方法が……」
男は女の声を聞きたくなかったのだろう。
そこからは、女が息をする間もなく何度も蹴りが浴びせられた音がした。俺たち三人は金縛りにあったようにその場で動けなくなっていた。ただ、恐怖なのか悲しみなのか。両の頬を涙の川がだらだと流れた。
ただ、だらだら、だらだらと。
「なあ。それで……あたしたちは生まれたんだよな」
雷雷が俺に向かって話しかけてきた。
思えばそれは少し奇妙でもあったが、それよりも確信した絶望的な真実がそこにはあった。
「もし、ここが本当に過去とするなら――――」
そう。今自分たち三人がいる世界が過去の世界で。命を創る魔法をして生まれてきた俺たちがいるということは。その猫は、あの残虐な行程を踏んで殺されたことになる。そして、その結末をきっと変えることはできないということも。
そして、瞬きをした瞬間稲光が瞼を突き刺した。
視界は真っ白になって俺は思わず怯んだ。ざあざあと鼓膜を雨音が打つ。明らかに今自分がいる空間で雨が空から降り注いでいる音だ。しかし、身体も服も濡れていない。寒さも冷たさも感じない。
視覚と感覚が一致しないことは、今から起きる状況のすべてを自分たちが知覚できても、それに関与することはできないことの表れだった。
もう、何が起こるか分かったつもりだった。覚悟はできていたつもりだった。
ばしゃばしゃと水たまりを蹴るふたりの靴音が聞こえる。
「あ、明日華っ!」
雷雷の声がして、彼女の視線の先をたどった。
そこには見間違えようのない美しい少女の姿があった。この雨模様のせいで毛先が少しごわついているが、間違えようがない。明日華の手を引く女性も、これまた麗人で。だが、俺はその麗人の姿にどこか懐かしさを覚えた。
「……スカーレット。二匹持てる?」
ふたりはふたりとも麻袋を下げていた。麻袋は中で何かが動いており、中に動物が詰め込まれていることが見て取れる。それよりも、明日華と見間違いようのないその少女は、スカーレットと呼ばれていた。先ほど部屋の中での夫婦の会話で出てきた娘の名前だ。
「う、うん。でもお母さん、……お父さんは?」
「あの人はいいの。あの人に捕まったら殺されちゃうのよ。キャシーもエイミーもみんな、殺されるの」
明日華はここではスカーレットと呼ばれている。
スカーレットの手を引く女性は、部屋で話していた夫婦の片割れのもの。つまりは彼女はスカーレットの母親だろう。親娘はばしゃばしゃと強い雨足の中を、麻袋を担いで走っていく。
夜の帳の中、月明りの照らす石畳の地面を激しく雨が打っていた。
俺たちは何かができる気がして、雨の夜道をひた走るふたりの親娘を追いかけた。だけど、麻袋の中で動く猫たちの重さも相まって、雨に打たれたふたりの足取りは見る見るうちに弱まっていった。
やがてとぼとぼと歩くようになり、麻袋も地面に引きずるようになったころ。石畳を馬の蹄が打つ音が聞こえた。なぜだかふたりはそれを聞いて建物と建物の間のゴミ溜めの影に身を潜めた。
馬の蹄の音に車輪の音も聞こえる。月明りに照らされて馬車が現れた。
ずぶ濡れになった御者がずぶ濡れの馬を操っている。こんな雨のひどく降る夜に、馬車とは。御者はカンテラをぼろっちい馬車の屋根にぶら下げている。馬車も貴族を乗せるものではなく、貨物用だ。まだ夜は開ける気配はないが、朝に市に出す品物を運んでいたのか。それとも献上の品か。献上の品ならば、雨の中であろうと馬車を走らせなければいけないことも納得できる。
馬はゆっくりと雨の街中を歩く。
その姿を確認すると、スカーレットの母親は安堵した。
「よかった。あの人の使いのものかとも思ったけれど」
だが気を緩ませたところで、麻袋から一匹の黒猫が這いずり出てきた。
「あっ、ダメ。エイミー。戻っておいで」
そう言ったけれど、エイミーは足早に去っていく。
「ちょっとエイミーっ!」
「待って、スカーレット」
スカーレットはエイミーを追いかけて道に飛び出した。
御者はこのひどい雨の中。少しうとうとしていた。カンテラと月灯りが照らす視界に少女が映ったとき、御者は怯んでのけ反った。それだけならば良かったが。カンテラに頭をぶつけて、屋根に引っ掛けていたそれは引っ掛かりを失って落っこちた。中の油が漏れだして、カンテラは火炎瓶となって地面に小さな火柱を立たせた。その火は、御者が引いていた馬の脚を燃やす。
馬は嘶いた。脚に火が燃え移り、従順だった名馬は、自らの生命の危機を感じ取って暴れ馬になった。
御者は慌てて手綱を引いた。
だけれど、馬はスカーレットの身体を突き飛ばして、何度か踏んづけた後、馬車を横転させて手綱を引きちぎった。そしてその馬が闇に溶けた後、そこには横転した馬車と、明らかに関節が変な方向に曲がったスカーレットの肢体が転がっていた。
積み荷は崩れ、魚や果物が夜道に散乱していた。
スカーレットが追いかけた猫は、スカーレットにすり寄るわけでもなくその魚に喰らいついた。
スカーレットの母親はただただ呆然としていた。
発語能力を失ったのか、口をぽかんと開けたまま、荒い息で肩を上下させること二三度。やがて、「う……そ……」、「うそ……」とうわごとを呟きながら、動かないスカーレットの肢体に這い寄った。
まるで立って歩くことを知らない赤子のように、ハイハイでスカーレットのもとまでたどり着く。動かないそれを、何度か指先で小突き、昼寝から起こすように優しく揺さぶる。
「スカーレット……。起きて」
しかし、起きず。寝坊助を叩き起こすかのように何度も背中を叩く。起きない。叩く。起きない。起きない。
「スカーレット! 起きなさいっ! 起きなさいっ!」
やがて仰向けにされたスカーレットは、明後日の方向を向いて口をあんぐりと開けたまま。そのまま何度揺すろうが、叩こうが動く気配すらないのだった。
彼女はひっ、ひっと引きつったような過呼吸をし、その肢体に顔をうずめて嗚咽を漏らした。それを脇目に黒猫は、イワシを咀嚼していた。
やがて、麻袋の口が緩み、何匹か猫が這いずり出てきた。
にゃあと声を上げる猫たち。
猫たちは思い思いに道に散らばった品物たちの周りを練り歩き、品定め。命を失った少女を取り囲んで夜食を選ぶ。少女の死を悼む母親をよそに、猫たちは食事会を始めていた。
彼女は呆然とその様子を眺めていた。しかしやがて、何かが心の奥底から湧き上がってくるのだった。
「……なんで、あなたたちは。なんで、あなたたちを助けてあげたこのコに、なんの声もかけてくれないの。なんで。な……で……」
動物が飼い主の死を慈しむというのは、現実でも創作でもあるのだろう。でも、目の前に食料が広がるこの状況で、時々可愛がっていた程度の人間の死を悼むというのは、都合のいい空想に過ぎなかった。
彼女はゆらりと立ち上がる。
「あなたたちを助けようとして、このコは。スカーレットは死んだ……。でも、あなたたちは……。あなたたちはっ!」
そして、懐から刃渡りの短いナイフを取り出した。
「……。もともと、あなたも。あなたも……あなたもっ、殺されるはずだったのを助けたのよ! なんで、なんで、なんでっ!
あなたたちがのうのうと生きて、スカーレットが死んでしまうのよっ!」
湧き上がった泉の水は、両の頬を流れて左胸の心臓へと滴り落ちる。中世の街の不浄を吸って真っ黒に淀んだ水は、心を黒く死なせていく。
「私がなんであなたたちを助けようとしたかわかる? ぜんぶスカーレットのためよ! 私はスカーレットの喜ぶ顔が見たかった。スカーレットの望む世界が見たかった。それが私のすべてだった! スカーレットがいないと、私はっ。私はっ」
震える肩。ゆっくりと天高く逆手に構えられる刃。
猫は人語を理解することもなくむしゃむしゃといわしを食べ漁っていた。
彼女が何をしようとしているのか、俺は分かった。俺は息をするように無意識に声を漏らした。
やめろ。
「せめて……。せめてっ、あなたたちがスカーレットを生き返らせることができるというのなら」
やめろ。やめろ。やめろっ!
「私のスカーレットを返してっ」
大きく背中を反らせて振りかぶった一撃。
俺はそれを受け止めようと、彼女の前に立ちふさがった。「お前っ、バカっ」と俺を止める雷雷の声が聞こえたが、それよりも先に身体が動いてしまっていた。口が動いてしまっていた。
「やめろぉおおおっ!」
喉を殺すような声が出た。
だけど、それは彼女には届かなかった。雨に濡れた細い腕は俺の身体を貫いて、その手に握られた刃は、俺の背後の黒猫の身体をぶすりと貫いていたのだろう。
うぇいに˝に˝ぃやあおっ
表しがたい鳴き声を猫は発した。
それから彼女は動きの鈍くなったそいつの肢体をひっつかみ、引き寄せた。お腹に穴が開いて血をだらだらと流すそいつに、もう一度刃が突き刺さる。
うぃに˝に˝ゃあ
さらにもう一度。もう一度。
俺の目の前でしなやかな身体の黒猫は、何度も貫かれ切り刻まれ、無残な肉塊へと姿を変化させていった。
彼女はとめどなく涙を流す。頻りに娘の名を呼びながらも、娘の前で娘が可愛がっていた猫を刺す凶刃を止めなかった。他でもない、娘を生き返らせるために。
俺は言葉を失った。
口をあんぐりと開けたまま閉じることができなかった。
ただ、天から無尽蔵に降り注ぐそれのように、俺の両の眼からはだらだらと。はっ、はっ、と犬のような息になった俺はそっと同じ光景を見ていた三人の方を向いた。三人はただただ黙って俯いていた。
――――息が苦しかった。
<おまけSSその97>
日秀「ってなわけで! え~と、パッチワークソウル連載開始二周年! おめでとうございま~すっ!」
唯「あ。ああ、そうだっけ」
雷雷「ごめん、全然嬉しいテンションじゃない」
日秀「いや、あの……。というかなんでみんなそんな暗いんだよ」
唯「そっちは本編お休み中だからお気楽なんだよ」
安奈「こっちはもうしばらく休暇をいただきたいわ」
三井名「あたしも早く帰ってBL読んで心を浄化したい」
日秀「それ、浄化なのっ!?」
<おまけSSその98>
日秀「ま、まあさ。本編であったことは置いといてさ。いったん盛り上がろ! いったん二周年祝おうよ。ほら、ハロウィンだし!」
唯「うるせえよ! だいたいこの小説は連載開始から作中が三日間しか経ってねえんだよ! ハロウィンもくそもないんだよ!」
雷雷「そうだよ! 何がハロウィンだ! こっちは目の前で猫がリアルミンチにされたんだぞ!」
安奈「んな胸糞悪いもん見せられて、仮装して騒げるかぁっ!」
三井名「そうよそうよ! 次回の出番があの眼鏡っことイチャイチャする話の平和なあんたにはとやかく言われたくないわっ!」
日秀「最後はただのネタバレじゃねえかっ!」