鎌倉にある寺院の中で位の高い五つの寺に与えられた「鎌倉五山」の称号。

 

その中でも第一位に指定されているのが、今回、私が訪れた臨済宗の禅寺「建長寺」です。

 

 

臨済宗の禅寺の特徴としては、総門、山門、仏殿、法堂という主要な四つの伽藍が一直線上に並んでいることが挙げられます。

 

 

 

入り口となる【総門】を潜ると、真正面に仏殿の屋根が見えます。

 

 

春には桜が咲き誇る参道を進み、

 

 

国の重要文化財に指定されている大きな【山門】へ。

 

 

その下を潜る時には、もう目の前に仏殿が見えています。

 

 

御本尊である地蔵菩薩を祀っている【仏殿】は、江戸時代初期に建てられたもの。

 

現在は国の需要文化財に指定されています。

 

 

 

元々は東京の増上寺にあった霊廟で、二代将軍・徳川秀忠の夫人(お江の方)を弔う霊廟でしたが、建て替えが行われた時に建長寺に譲渡され、ここに移築されてきました。

 

 

 

臨済宗の寺院の御本尊というと釈迦如来が多いのですが、こちらに祀られているのは地蔵菩薩様。

 

 

建長寺が建てられる以前、ここには罪人を処刑する「地獄谷」と呼ばれていて、地獄に堕ちていく人々を救済する地蔵菩薩を祀った寺院がありました。

 

その流れで、建長寺の御本尊も地蔵菩薩になったと言われています。

 

 

仏堂のすぐ裏側に建っているのが【法堂】。

 

現在残されている法堂は江戸時代後期に再建されたもので、建長寺の中で最も大きな建築物であり、関東地方の中でも屈指の大きさを誇る木造建築物です。

 

 

禅宗の寺院においては、僧侶が修行者や民衆に向けて法話や説法を行う場所とされています。

 

元々は仏像は置かれていませんでしたが、次第に法要などが営まれるようになり、現在は千手観音像と釈迦像が安置されています。

 

 

この法堂の見所の一つは、天井に墨で描かれている雲竜の図。

 

平成になってから描かれた新しい絵画ですが、制作に3年を費やした及ぶ大作です。

 

…というのを知ったのは、建長寺からの帰り道。

 

法堂を訪れた時点では、そんな事など全く知らず、一度も天井を見上げる事なく立ち去ってしまいました(笑)。

 

 

(建長寺・後半に続く)