【2023年8月12日】
 
仙台行きを思い立ったのは、前日の夕方。
 
急いで新幹線の切符を予約しましたが、この日は三連休の中日という事で、思い通りの時間の便が取れず。
 
行きの新幹線は予定より少し遅めの時間(しかもグリーン車)、
帰りの新幹線は午後4時台の新幹線で、ようやく席を確保できました。
 
その結果、目的地である仙台には約6時間しか滞在出来ない事となり、毎度ながらのタイトなスケジュールの旅。
 
一泊できるのなら話は変わってくるのですが、次の日は地元にある母の墓参りを予定していたので、どうしても日帰りしなければなりません。

 

 

午前8時30分、大混雑の大宮駅から東北新幹線に乗車。

 

久しぶりにグリーン車に乗りましたが、値段が少し張る分、足元が広いのは嬉しいですね。

 

特に、私のような体格のよろしいオッサンには助かります(笑)。

 

 

午前10時、仙台駅に到着。

 

 
ポケモンのスタンプがありましたが、スタンプ台の前に順番待ちの行列が出来ていたので断念。
 
何しろ、今回は先を急がないといけません。
 
駅前から路線バスに乗り、最初の目的地へと向かいます。

 

 
滞在時間が6時間しかないのに、最初の目的地までは路線バスで約1時間。

 

 

市街地を抜け、どんどん自然豊かな山の方へと入っていきます。

 

 
前日の夜に食べた肉が胃袋に残っていて、バスの揺れが少し気持ち悪く感じる体調のまま、ようやく辿り着いたのは、

 

 

国の名勝に指定され、日本の滝100選にも選ばれている「秋保大滝」。

 

仙台は何度も訪れた事があり、近くにある秋保温泉にも2回ほど宿泊した事がありましたが、この大滝を訪れるのは初めてです。

 

本来なら、じっくりと腰を据えて観たり、写真を撮りまくりたいのですが、今回のスケジュールは分刻みにタイトなもの。

 

帰りのバスが来るまでの、たった30分で鑑瀑しなければなりません。

 

一刻も早く、滝へと向かわなければならないのですが、

 

 

 滝に向かう前に参拝しておきたいのが「秋保大滝不動尊」こと西光寺。

 

 

手水石にて両手を清め、

 

 
御本尊の不動明王が祀られている本堂を参拝します。
 
こちらは山形県にある山寺(立石寺)の奥の院とされ、この裏にある秋保大滝で100日の荒行を終えた慈覚大師円仁によって立石寺が開かれたとされています。
 

 

江戸時代、この不動堂を建立した知足上人は、堂の完成を見届けた後、多くの人の大願成就を祈って秋保大滝に身を投げたとされています。
 
それから現在まで、この堂には大願成就を祈る人々が多く訪れています。

 

 
繊細な彫刻が数多く施された本堂の前に立ち、深々と一礼します。
 
最近、神社ばかり訪れてきたので、そのまま柏手を打ってしまいそうになりましたが、何とか踏み止まり、合掌と一礼だけ。

 

 

本堂の脇を通り抜け、いよいよ大滝へと向かいます。

 

 
本堂の裏からは下りの石段が伸びています。
 
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この長い石段が帰り道には上りになる事を考えると、果たして時間通りに戻ってこられるのか少し不安になってきますが、とにかく前に進まないと仕方ないので先を急ぎます。

 

石段を下りていくにつれ、木々の隙間から垣間見えてくる滝の姿。

 

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石段を下り切ったところにある滝見台からは、滝の全体を正面から眺める事が出来ます。

 

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幅6メートル、落差55メートルで流れ落ちていく直爆の滝は、少し離れた場所から見ていても迫力十分。

 

 
周囲を深い森に囲まれた静寂の中、大量の水が滝壺に落ちていく轟音だけが響いていきます。
 

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那智の滝(和歌山県)、華厳の滝(栃木県)と並ぶ「日本三名瀑」の一つと呼ばれている…となっていますが、同じように三名瀑を自称する滝は全国各地にあるので、いわゆる「諸説あり」の部類ですね。

 

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まあ、同じように「日本三大○○」というやつは、最初の二つは確定していても、最後の一つは色々な説があるというのは良くある話。

 

日本三名瀑に入っていても、入っていなくても、この滝が美しいのは間違いないし、観た人の多くの心を動かしている事は確かだと思います。

 

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正直なところ、私も今回のタイトなスケジュールの中で仙台駅から1時間もかけて訪れる価値はあるのかな~なんて事を思っていたのですが、そんな事を考えたのが恥ずかしくなるほど、観に来た価値はありました。

 

 
さらに山道を800メートルほど下りていけば、滝壺近くまで近づいて、間近から滝を見上げる事も出来ます。
 
滝見台から下を見下ろしてみると、
 

 

はるか下を流れる川の岸を歩いている人々の姿が見えました。

 

 

残念ながら、今回は時間が無いので…

 

というか、あんな下から戻ってくる上り坂を考えると、すっかり心が折れてしまいました(笑)。

 

 
滞在時間は短めでしたが、それでも十分に楽しませて頂き、日常生活で乾いていた心を癒してもらえました。