【2023年7月16日】

 

日々の気温が上がり、汗が止まらない時期になると、ふと観に行きたくなる場所。

 

それが「滝」。

 

静岡県の伊豆半島にある修善寺駅の駅前から路線バスに乗り、

 

 

いくつかの温泉街を抜け、自然豊かな景色の中をバスに揺られる事、約40分。

 

 

 

辿り着いたのは、

 

 

日本の滝100選にも選ばれている「浄蓮の滝」。

 

石川さゆりの「天城越え」の歌詞に出てくる事でも有名で、実際に天城峠の近くにあります。

 

 

この日も、ただ立っているだけでも汗がダラダラ垂れてくるような陽気。

 

まあ、東京よりは湿度が低いので、日陰に入れば涼しく感じるのですが、それでも一度開いてしまった汗腺は閉じてくれません。

 

早く…早く、滝の近くへ。

 

 

バス停を下りると、すぐ近くに滝へと降りていく道があります。

 

 

平坦な下り坂を進んでいくと、

 

 

足元が途中から石段に変わります。

 

 

これは…典型的な「行きは良い良い、帰りは恐い」ですね。

 

下りていくのは苦ではないけれど、帰り道、この石段を上ってくる事を考えると、ちょっと気が重くなってきます。

 

とはいえ、ここまで来て後戻りは出来ないので、黙々と石段を下りるしかありません。

 

 

連休中とあって、そこそこの混雑ぶり。

 

私の前にも後ろにも人が押し寄せ、途中で立ち止まるのも躊躇われる状況ですが、滝に辿り着くまでに体力が尽きても困るので、慎重に下りていきます。

 

 

そんな状況で、石段の途中で立ち止まり、幼い我が子が石段を下りていく姿をスマホで撮影している父親が居ましたが、本当に邪魔なので勘弁してほしかったですね。

 

混雑している石段を塞いでいるのも迷惑だし、それを追い越すのも撮影の邪魔をするようで申し訳ないし…。

 

 

浄蓮の滝の近くでは渓流釣りも楽しめて、釣り竿のレンタルもしています。

 

そこで釣れるニジマスが食べられる食堂も。

 

 

こういう場所で食べる魚は美味しいんでしょうけど、私は川魚が苦手なので…。

 

幼い頃、釣りに行った時に食べた川魚が口に合わず、そういう記憶は大人になってからも引きずりますね。

 

 

次第に滝の音が聞こえ始め、木々の隙間から滝が見えてくる頃には、周囲の空気が一気に冷え込んできました。

 

石段を下りてくる前と比べると、まるで真夏から秋まで季節が進んだかのような急激な変化です。

 

まさに天然のクーラー。

 

 

ヒンヤリとした空気に包まれながら、轟音をあげながら流れ落ちていく滝へと近づいていきます。

 

 

現在は滝の近くまで近寄る事が出来ますが、明治時代に遊歩道が作られるまでは自然そのものの断崖絶壁に囲まれていて、遠くから眺める事しか出来ない秘境の滝だったそうです。

 

 

豊かな水量が25メートルの高さから一直線に落ちていく「直瀑」タイプ。

 

 

純白に光る姿は美しく、それが注ぎ込まれる滝壺付近もエメラルドグリーンに染まっていて綺麗でした。

 

 

 

滝まで一番近付いた付近にあるのが、名曲「天城越え」の歌碑。

 

 

♪寝乱れて 隠れ宿

九十九折り 浄蓮の滝♪

 

曲の楽譜の上には、

 

 

こちらの石板には石川さゆりが浮き上がる処理がされているのですが、写真には上手く写らず…。

 

 

これだけ涼しい場所だと、ベンチか何かに座りながら休憩したいところですが、観光客で大混雑な状況では一か所で立ち止まる事すら難しく、気軽に座れるような場所もありません。

 

当然、じっくりと腰を据えて写真を撮る事も難しかったので、パパッと手早く写真を撮ると、人混みに押し出されるように滝を立ち去る事に…。

 

 

未練がましく後ろを振り返りながら、何枚か写真を追加撮影して、

 

 

帰り道は、急激な石段を上っていきます。

 

嫌だけど…上りたくないけど…これを上らないと帰れません。

 

 

石段を下りていくにつれて、徐々に涼しくなっていった往路。

 

その逆で、石段を上れば上るほど、どんどん気温が上がっていく帰り道。

 

とても一気に登り切る事など出来る訳もなく、

 

 

途中の岩肌に生えるシダを撮影するふりをして、ちょっと一休み(笑)。

 

こちらは「ハイコモチシダ(ジョウレンシダ)」と呼ばれる珍しいシダで、この伊豆半島と九州の一部にしか生えていないそうです。

 

 

石段を登り切った時には、もう全身が汗だく、足腰はヘロヘロ。

 

そのまま近くにあった石の上に崩れ落ち、ゼーゼーと荒い息をするオッサン。

 

完全に下半身が萎えてしまい、その場で30分以上も立ち上がる事さえ出来ない状態に陥ってしまいました。

 

いつもなら、帰りのバスが一刻も早く来てほしいと願うのに、この時ばかりは「まだ来ないでくれ…」と願うしかありませんでした。