少し時を遡り、
 
【2023年3月5日】
 
妙に目覚めの良かった日曜の朝。
 
ふと思い立ち、向かったのは、
 

 

茨城県桜川市にある、JR水戸線の岩瀬駅。

 

せっかく日曜の休日の朝に、唐突な思い付きから、わざわざ埼玉から茨城まで来る人も珍しい(笑)。

 

ここ最近、栃木や茨城に行く機会が多く、この時も一週間前に水戸を訪れたばかりだったのですが、また同じ水戸線を使っての茨城入り。

 

一度に二つの用件を済ませる事が出来ず、わさわざ同じルートで出直してくるのが、私の要領の悪いところです。

 

 

私以外には誰も降りなかったホームを抜け、無人の改札から駅前へ。

 

 

今回の目的地は、この駅から歩いて1時間ほどの場所にある小山寺(富谷観音)。

 

その境内にある、国の重要文化財に指定されている三重塔を観に行くのが、今回の思い付き旅の目的。

 

さすがに往復2時間を歩く気分にはならなかったので、タクシーを使う事にしました。

 

 

ちょうどタクシーが出払ってしまったタイミングだったのか、20分ほど待たされた後、ようやく1台だけ来たタクシーに乗車。

 

ところが、

「小山寺までお願いします」

「…えっ?」

行き先を告げても通じず。

 

もしかしたら、と思い、

「富谷観音にお願いします」

「あ〜、はいはい」

 

一応、両方の呼び方を覚えていて良かった…。

地元だと、お寺の名前より「観音さん」の呼び方の方が通じる事が多いですからね。

 

 

平安時代の西暦735年、聖武天皇の勅願によって開かれた小山寺は、富谷山の中腹にあるので「富谷観音」とも呼ばれています。

 

 

ウネウネと曲がりくねった山道にはガードレールも少なく、ちょっと足元を誤ったら転げ落ちてしまいそうな急坂。

 


こんな道を歩いて上っていくなんて勘弁してほしいので、タクシーで行って大正解でした。

 

途中、石段で上がっていく表参道もありましたが、

 

 

ここは素直に、お寺の入口までタクシーで連れて行ってもらいました(笑)。

 

 

門の前でタクシーを降り、境内へ。

 

生い茂る緑を眺めながら歩いていくと、

 

 

前方に門が見えてきました。

 

 

江戸時代に建てられた仁王門は、茨城県指定の文化財。

 

 

さっき通過してきた表参道の石段は、ここに繋がっています。

 

 

無理して上ってこなくて、本当に良かった(笑)。

 

 

仁王門の両脇を固めるのは、

 

 

ちょっと瘦せ型の仁王様。

 

 

門を潜る時に、上を見上げてみると、

 

 

多くの花が描かれた彫刻と天井の模様。

 

 

その門を抜けた先には、

 

 

…まあ、このくらいの石段は頑張って上ります。

 

 

頑張って上ろうとしましたが…途中で立ち止まり、写真撮影を口実に一休み。

 

何とか上り切ると、

 

 

ようやく本堂に辿り着きました。

 

古くから安産や子育て、縁結びなどに御利益があるとされ、地元の領主・城主などから厚い保護を受けてきた小山寺。

 

 

 

江戸時代に建てられた本堂と鐘楼は、何度かの修繕を重ねながら現代まで残され、県の文化財に指定されています。

 

 

本堂の正面を飾るのは、

 

 

立派な龍の彫刻。

 

 

その他にも、各所に細かな細工が施された彫刻が見られます。

 

 

 

本堂の中には、平安時代に彫刻されたと伝わる十一面観音菩薩像が御本尊として祀られており、その脇には鎌倉時代に運慶が彫ったと伝わる木造毘沙門天像、平安時代に慈覚大師円仁が作ったと伝わる木造不動明王像が安置されています。

 

この三体の仏像も、茨城県の指定文化財。

 

 

そんな本堂に参拝してから、

 

 

いよいよ、メインの目的である三重塔を拝見します。

 

(次回に続く)