前回の福島県に続き、今回も東北地方の「一之宮巡り」。

 

青森県弘前市にある「津軽国一之宮」を訪れました。

 

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JR弘前駅の前から路線バスに乗り、約40分の移動。

 

市街地を離れた頃から、車窓の外に見えてきたのが、

 

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津軽地方を代表する霊峰、岩木山です。

 

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青森県の最高峰で、その美しさから「津軽富士」と呼ばれる岩木山。

 

そんな日本百名山の一つにも数えられる名峰の麓に、「津軽国一之宮」である岩木山神社があります。

 

 

日本全国で「一之宮」を称する神社の多くは、日本古代の律令制で分けられた国で一番格の高い神社とされています。

 

一方、岩木山神社は、明治維新後に陸奥国が分割された事で新しく作られた「津軽国」の一之宮で、一般的に「新一之宮」と呼ばれている部類。

 

正式には、分割された後も「陸奥国」だったのですが、元々の陸奥国と混同してしまうので、古くから親しまれてきた「津軽」が呼称として定着したそうです。

 

 

鳥居の向こう側に悠然とそびえる岩木山は、古代から地元の守護神として深い信仰を集め、津軽地方のシンボルとして親しまれてきました。

 

神社が創建された時期として伝わるのが、今から1200年以上前の西暦780年。

岩木山の神々を祀る為、山頂に社殿を構えたのが始まりとされています。

 

その後、征夷大将軍として東北地方の平定を遂げた坂上田村麻呂が、岩木山の神々からの加護に感謝して、社殿を整備。

山の麓にも社殿が作られ、神仏習合の「百沢寺」になると、山頂の社殿は「岩木山神社 奥宮」とされました。


江戸時代には、弘前藩の歴代藩主から厚い保護を受け、現在まで残る本殿や楼門などの社殿が数多く寄進されました。

 

 

私が訪れた日にも多くの参拝客の姿が見られ、そこそこ広めの駐車場は満車状態。

 

そんな車の間を抜け、一の鳥居の前に立った途端、目の前に広がる光景に、ちょっと感動してしまいました。

 

 

生い茂る緑の中、奥にある本殿まで一直線に伸びていく参道。

 

まるで、そのまま背後にそびえる岩木山まで一本に繋がっているような感覚を覚えます。

 

 

進行方向への視界が遮られる事もなく、絶妙な傾斜が付いた参道を歩いていると、すっきりとした解放感というか、心が安らぐ爽快感がありますね。

 

左右に立ち並ぶ杉の緑は目に優しく、その間を通過するだけでヒーリング効果を感じます。

 

 

この日は天気に恵まれ、ちょっと日差しも強めでしたが、杉木立が良い感じのフィルターとなって、ほぼ暑さは感じず。

 

 

これまで数か所の一之宮を巡ってきましたが、人が少なかったり、誰にも会わなかった神社ばかりで、こんなに人のいる一之宮は久しぶり。

 

その為、疲れたと思っても、その辺の地べたで勝手に座って休む訳にはいきません(笑)。

 

私が撮影した写真に、これだけ他人が写り込むのも珍しいですね。

 

 

石造りだった一の鳥居、二の鳥居から、朱色の木製に変わった三の鳥居。

 

その先には、いよいよ楼門が見えてきました。

 

 

その前の池には鯉らしき魚も泳いでいたのですが、のんびり写真を撮っている余裕もなかったので、先を急ぎます。

 

 

楼門の前には立派な狛犬が。

 

 

こちらの狛犬も味わい深い顔付きをしているのですが、注目すべき狛犬は、門前の石段を上がった先にいます。

 

 

石段を上がったところで左右を見ると、

 

 

柱の陰で逆さまになった狛犬が、こんにちは。

 

 

反対側の柱にも、妙に可愛い狛犬が隠れていました。

 

柱の陰に隠れているので、前だけ見ていると気付かずに通り過ぎてしまいそうになりますが、こちらの狛犬も岩木山神社のパワースポットの一つ。

 

境内にある狛犬では最も古く、上向きの狛犬は金運や招福、下向き(逆さま)の狛犬には恋愛運の御利益があるとされ、スマホの待ち受けにすると効果があるそうです。

 

 

横幅16.6メートル、高さ17.8メートルを誇る朱一色の楼門。

 

江戸時代の西暦1623年、神様と仏様を共に祀る神仏習合の百沢寺の山門として建てられました。

 

その為、内部には十一面観音と五百羅漢が安置されていましたが、明治政府による神仏分離を受け、百沢寺は廃寺。

 

岩木山神社の門として、取り除かれた観音様と羅漢様の代わりに随身像が置かれるようになりました。

 

 

 

岩木山神社 ②に続く)