上田電鉄「下之郷駅」から徒歩5分ほど。
生島足島神社に向かう参道の途中にあったのが、
真言宗の寺院、長福寺です。
創建は平安時代の西暦995年。
信州の霊山である独鈷山の鬼門の方角にあたる生島足島の神域に、独鈷山の守り仏である薬師如来を勧請したのが始まりと伝わっています。
そのご本尊、薬師如来が祀られているのが、
「信州夢殿」というお堂。
八角形をしたお堂は、奈良法隆寺にある夢殿を2分の1に縮小して復元したもの。
「信州夢殿」の命名も、当時の法隆寺の貫主によって行われました。
お堂の中に祀られているのは、奈良時代に作られたとされる「銅像菩薩立像」。
この時代に作られた金銅仏は長野県内に2体しかない、貴重な仏像です。
古くから小布施市の民家に伝わっていたものですが、この夢殿が建てられたのに合わせて、長福寺に祀られるようになりました。
当初は国宝に指定されていましたが、正確な資料がない事や修復の跡が見られる事から、現在は国の重要文化財に指定されています。
過去、3度も盗難被害に遭いましたが、毎回無事に戻ってきた事から「お戻り観音」と呼ばれており、旅行の安全を祈願する方も多いんだとか。
そんな貴重なお姿は、前もって電話予約しておけば拝観できるそうです。