岐阜の旅、二日目。
 
その日は、朝から全国的に大雨。
 
宿泊していたホテルの窓から外を眺めた途端、
 
「駄目だ、こりゃ」
 
あちらこちらを歩き回るのは無理だと悟り、その日に訪れる場所を一か所だけに絞りました。
 
向かったのは、岐阜県垂井町にある『朝倉山真禅院』。
 
 
JR東海道本線の垂井駅から、タクシーに乗って約10分。
 
当初は徒歩で向かう予定でしたが、タクシー代をケチる気持ちよりも、雨の中を延々歩く事への拒否感が上回りました。
 
 
平安時代に開かれ、飛騨国一の院である南宮大社の境内にある「神宮寺」の一つだった真禅院。
 
霊験あらたかな寺院として、古くから多くの祈祷が行われてきましたが、戦国時代に「関ヶ原の戦い」の戦場となり、南宮大社と共に焼失してしまいました。
 
江戸時代、三代将軍・徳川家光によって南宮大社が再建されたのに合わせ、真禅院の建物も再建。
現在も残る本堂や三重塔は、この時に建て直されたものです。
 
明治政府による「神仏分離」によって独立すると、現在の場所に移築されました。
 

 

 
タクシーを降りた時点で、そこそこ激しい雨模様になっており、ここまで来た事を少しだけ後悔…。
 
さっさと目的の写真だけ撮って帰ろうと思い、カメラを取り出したものの、雨対策など全くしていなかったので、たちまちズブ濡れ。
 
レンズを何度拭き取っても、その数秒後には水滴が溜まってしまい、雨で煙った感じの写真になってしまいました。
 

 

 

 

 

 

この日二度目の「駄目だ、こりゃ」を呟きながら、メイン目的の三重塔へ。

 

 
鮮やかな朱や緑の極彩色の塔ですが、雨で滲んで見えているのが非常に残念。
おまけに暗いし…。
 

 

 

 

元々、奈良時代の西暦741年に南宮大社内に建てられましたが、戦国時代の「関ヶ原の戦い」の戦火で焼失。

 

西暦1642年、徳川幕府三代将軍・家光によって再建された約26メートルの塔には、大日如来像が納められています。

 

個人的に、高い建物を下から見上げて撮影するのが好きなのですが、

 

 
降りしきる雨の中、上を向いた状態で満足に撮れる訳も無く…
 
この日三度目の「駄目だ、こりゃ」です(笑)。
 

 

 
仕方なく、少し離れた場所からの引き画で、全体を撮るしかありません。

 

 

 
ちなみに、どうしてもカメラを両手で構えてしまうので、撮影中は傘も差さずに濡れネズミ状態。
 
暑い日は汗まみれになり、雨の日は濡れネズミになる、私の旅(笑)。
 

 

 

 

これが関東にある塔なら「また晴れている日に改めて来ようかな」と思えるのですが、さすがに岐阜まで何度も通う訳にもいかないので。