先日、会社から帰る電車内にて。
 
心も身体も擦り減らす労働の時間から解放され、すっかり気の抜けていた私は、電車のドアに背を預け、ぼんやりと車内広告を眺めていました。
 
今晩は、何を食べようか…。
 
そんな事も、頭の片隅で考えながら、完全に油断して無防備な状況でした。
 
ガタゴト、規則的な電車の揺れに身を委ね、ちょっと眠気さえ覚えたりして。
 
そんな時でした。
 
次の停車駅に近付き、掛けられたブレーキが唐突過ぎたのか、電車が大きめに揺れました。
 
吊り革や手すりを掴んでいても、思わず身体が泳いでしまいそうになる程の揺れ。
 
それでも何とか踏み止まる乗客達の中で、私から少し離れた場所に立っていた会社員らしき女性は、身体のバランスを崩していまったのか、ヨロヨロと私の方に倒れ込んできました。
 
そして、
 
 
グニュッ。
 
 
そこそこの勢いをつけて、
思いっ切りの体重を掛けて、
私の足を踏み付けてくれました。
 
なかなか高めのヒールで。
 
 

 
ヒールで足の甲を踏んだのに続き、そのまま爪先まで踏み潰してくれたので、
 

 
中指の爪、破損。
 
「ごめんなさい、ごめんなさい」と何度も謝ってくれたので許しましたが、もし何食わぬ顔で無視されていたら、ちょっと我慢できなかったかも。
 
さすがに温厚な私でも、思わず我を忘れてしまいそうになる程の痛みでした。
 
そこで謝る相手に「大丈夫ですよ。気にしないで下さい」と涼しい顔で応えられる、スマートでダンディな大人になりたいのですが、現実は…。
 
痛みに目を白黒するばかりで、相手の事を考える余裕など全くありません。
 
なんとか平静を保ち、「そんなに痛くないですよ〜」という素振りを装うのが精一杯でした。
 
自粛の時期も終わり、これからは電車内の混雑も当たり前になってくるので、とりあえず人の足は踏まないように、逆に踏まれないように注意しないといけませんね。