一泊二日の石川旅行で訪れた2寺目の寺院は、小松市にある那谷寺。
JR小松駅から路線バスに乗り、約40分。
バス停から10分ほど歩いていくと、那谷寺の山門が見えてきました。
石川県と岐阜県にまたがる白山は、日本三大霊山の一つとして、古くから人々の信仰の対象となっていました。
西暦717年(奈良時代)、白山で修業した高僧・泰澄によって那谷寺が開かれてから、1300年の歴史のある、高野山真言宗の古寺です。
那谷寺の御本尊が「十一面千手観世音菩薩」という事で、山門の近くにある顔出し看板は、
3人まで顔が出せます。
私のような一人旅の人間は、
こちらもあります(笑)。
昭和51年に建てられた山門の扉には、
阿吽の仁王像が彫られていました。
門の両側に仁王像の木造が立っているのはよく見かける光景ですが、扉に彫られているのは珍しいかも。
豊かな緑の中を抜けていく参道。
その先に見えてきたのが、
那谷寺の名物の一つ、「奇岩遊仙境」。
元々は海底噴火によって生まれたらしい奇岩壁の所々に、大小の岩窟が口を開き、石碑が収められているのが見えます。
以前は奇岩を登る事が可能で、その為の石段も残っていますが、現在は安全と景観保護の為に立ち入り禁止。
確かに足を滑らせたら大事故になりそうだし、おそらく、あまりマナーの良くない人達がいたんだろうな~という想像は出来ます。
真正面の高台にある展望台から見ると、また違う景色になります。
先程は下から見上げてみましたが、今回は同じくらいの高さから見下ろす視点。
お城の石垣にも同じ事が言えますが、下から見上げるのと、上から見下ろす、両方の視点で見た方が2倍楽しめますよね。
これは間違いなく、秋の紅葉の季節に見たら、かなりの絶景でしょうね~!
江戸時代、ここを訪れた松尾芭蕉は、「石山の 石より白し 秋の風」という歌を残しています。
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御本尊である「十一面千手観世音菩薩」が祀られた本殿は、長めの石段を登り切った高台の上に建っています。
最近、こういう石段を見るだけで引き返したくなるのですが(笑)、覚悟を決めて登ります。
南北朝時代に戦乱によって荒廃してしまった那谷寺ですが、江戸時代、加賀藩主から庇護を受けて再建されました。
現在、この本殿は国の重要文化財に指定されています。
岩山の斜面に建っているので、本殿の中では薄暗い岩窟を周る「胎内巡り」が体験できます。