小学校の修学旅行で訪れて以来、約30年ぶりの日光東照宮。
でも、もはや何の記憶も残っていないので、ほぼ初訪問ですね。
江戸幕府初代将軍・徳川家康が亡くなった一年後、家康を祀る為に作られたのが東照宮。
その後、三代将軍・家光によって「寛永の大造替」が行われ、多くの社殿が造営されました。
これらの社殿の多くは現在も残されていて、ほとんどが国宝、重要文化財に指定されています。
そんな数多くの重要文化財で最初に見られるのが、
表門。
この門には珍しい特徴があって、
表側(外側)は、仁王様が両脇を固めている、いわゆる「仁王門」。
しかし、裏側(内側)の両脇を固めているのは狛犬です。
つまり、寺院の象徴である仁王様と、神社の象徴である狛犬が一つの門にあります。
仏教と神道が混在して信仰されていた「神仏習合」の時代ならではの門ですね。
表門を潜り、視界に入る社殿の数々は、あちらも、こちらも重要文化財ばかり。
曲がり角に沿って並ぶ三つの建物は、三神庫。
東照宮の例大祭で使われる1200人分の道具や装束が収められています。
一番奥にある「上神庫」は、象の彫刻がある事で有名です。
これが建てられた江戸時代、日本には象はいなかったので、色々な書物や伝聞などを参考にしたイメージだけで彫られたものです。
四本足で、鼻が長い、耳が大きい、牙がある。
特徴は捉えていますが、ちょっと太りすぎですね(笑)。
参拝者が手や口を清める手水舎も豪華。
その先には、経典が収められた輪蔵があります。
建物の中に、押して回せる八角形の書架がある事から、「輪蔵」と呼ばれています。
書架を押して一回転させると、全ての経典を読んだ事と同じ効果があるそうです。
こういう「回せる経蔵」は、他の寺院にも見られますね。
気にならない人は全く気にならない事だと思いますが、「経蔵」は仏教の経典を収める場所。
本来、家康公を神として祀る神社である東照宮の中に、仏教の建物があるのは異例の事。
よく考えると、東照宮の前に建っている五重塔も、仏舎利が収められた仏塔ですから、本来は神社には無いモノ。
これも表門と同じく、「神仏習合」の表れなんですね。